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父と娘と。

作者: 風斬 久男

思いつきで書いた話なので、話がおかしいかもしれません。

どんどんつっこみを入れてください

もしくは途中で飽きるかも・・・

今日は快晴、久しぶりに雲ひとつない青空である。

そんな青空の下行われているのは、


「イヤだ!絶対今日は起きない!」


「今日は自警団の人達と警邏でしょう!

起きなさ~い!」


―――――父と娘のしょうもない喧嘩であった。







この二人の喧嘩の理由は、至極簡単である。

父が仕事をしたくない。

いつまでたっても父が折れないために、時間がただただ過ぎていく。


「だって俺がいなくても警邏なんて出来るだろう?!

なのになんで俺がわざわざ行かないと行けないんだ!」


父はひたすら仕事がしたくないようだ。

そんな父に娘は、


「父さんは警邏の仕事以外にも、自警団の人達に稽古をつけるって

仕事があるでしょう?」


「そんなのお前がやればいいだろう。」


娘も実は自警団だった。しかも副団長である。

ちなみに父は団長、つまりは一番上の人だった。

実に今更なことではあるが、仕事をしない父を叱るのも

副団長としての娘の仕事であった。


「大体、私は手加減なんて器用なマネできないから。

やるからには全力だから。」


「・・・脳筋め。稽古の時も言っているだろう?

ちゃんと小手先の技術も学ばないと一流の剣士にはなれないって。」


父は始動が遅いが、いざ稽古を始めると鬼のようになる。

指導の内容が的確なので娘はグウの音も出ない。


「・・・とにかく、そろそろ起きて仕事に出てもらわないと。

私だって仕事に行きたいし。」


「はいよ。起きますよー。」


父はムクリと起き上がると部屋からのそのそと出て行った。

娘も後を追いかけて出て行く。

父が部屋から出ると、もうそこには朝ご飯が並べられていた。

まだ湯気が出ているところを見ると、まだ作りたてのようだ。


「今日も暖かいメシが食えて、父さんは幸せだな」


「そう思うのならちゃんと仕事してよね、もう。」


目の前に並べられた料理は、全てこの村で採れた野菜や卵、

肉を使ったものだった。鶏肉をほぐして入れたオムレツは、

娘の得意料理の一つである。

父はこのオムレツを食べると本格的に始動するので、娘としては

毎日作るのもやぶさかではないのだが、毎日作ると栄養が偏るといって

週の始まりだけ、父に作ってあげるのだった。


「これがなきゃ、始まったって気がしねえよなぁ。」


「大げさだなぁ。ところで今日は稽古してくれるの?」


父の稽古は不定期である。

それは都合が合わないとかではなく、ただ単にめんどくさいから

気分が乗った日にしか稽古は行わない。

そんな自警団で大丈夫なのか、という話もよく村の中で持ち上がるが・・・。


「んぁ?ああ、今日はやってもいいぞ?ただし、お前は木剣な。」


「えぇ~!なんでよ?!私だって真剣で打ち合いたいのに・・・。」


「ダメだ。お前はすぐ脳筋みたいに振り回すから、大振り以外の技術を身につけるまで

稽古は木剣のみ。」


容赦ない父の一言に、娘は崩れ落ちる。

まさに稽古の鬼。

自警団長は伊達ではない・・・のかもしれない。


「よし、そろそろ出かけるかな。めんどくさいけど。」


「めんどくさい言わないの。さぁ行くよ。」


ぶつくさ言いながら父は家を出る。

それを追いかけるかのように娘も家を出る。








これはある村の、

ある普通の親子の朝の光景。

季節は春。

今日は快晴。


「ほら!おいていくよ、父さん!」


「あいてっ。こら、ちょ、待てって。」




――――――久しぶりの雲一つない青空の下

二人の親子のお話。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

皆様の暇潰しになれば幸いです

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