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ガキのたわごと

冷たい

作者: 窯野 四方木
掲載日:2025/10/19

「アイスクリーム」とは生クリームなどの乳製品を主原料に、作る冷たい菓子です。

 屋台で買ったソフトクリーム。

僕の隣を歩くあの人はそれ片手に歩いている。あの人は食べる気配がない。

畑の稲は揺れていけど毛穴から汗が溢れてく。髪が湿りだしたころ、畑をすぎ田舎の中では住宅街といわれる場所を目的地もなく練り歩く。



 住宅街の真ん中で、僕はあの人を見た。あの人も僕を見た。

あの人は僕にソフトクリームを差し出す。手を伸ばしても差し出すだけ。

渡す気が無いんだ。コーン部分にクリームが染み込んでいく。

あの人はクリームが手についても僕に差し出している。舐めろと言うのか。

僕はあの人の意図を汲み取ってあげた。口を開けしばらくしたら舌先が冷たくなる。人のものを食べるというのは気が引けるのもので

僕は控えめに味蕾(みらい)で甘味を感じた。



 舌をクリームにゆっくり押し付ける。クリームの壁は次第に溶けていく。

ふとその冷たさがなくなる。すれば生暖かいものが僕の器官に触れる。

僕よりも薄く、長い舌だった。あの人はなんて悪趣味なんだ。眉をひそめる僕を無視してあの人は舌を食べようとする。二人で一つのクリームを溶かし合っていく。僕はソフトクリームを食べたいのに。正直邪魔だ。だが夏は暑い。暑いので脳も溶けていく。本来恋人でもない顔見知りに食べられても興奮する程度に溶けている。僕のコアラのように脳にシワがないのだろう。



 舌には凹凸がたくさんある。指で触ってもわからないのに舌同士が重なるときに実感する。僕の舌は感度が高いらしく、あの人がどこをなぞっているのかわかってしまう。僕を解剖するあの人、それに承認欲求が満たされてしまった僕。しょうじき恥ずかしい。僕は未成年であり未熟である。

 アイスクリームは僕らの間を溶けていきコンクリートを白に染めていく。

ガキのおもり、お疲れさまでした。

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