第5話 「国民的結婚式!? 烈馬、馬上での公開プロポーズ!」
1
政界を浄化し、陰謀を討ち取り、
姫乃ゆきを守り抜いた烈馬。
国民の支持率は空前絶後。
テレビもSNSも、すでに「結婚まだ?」の声で溢れかえっていた。
あやめ(秘書兼胃袋崩壊)は、
全国民からの祝福ラッシュの中で白目をむいていた。
2
そんなある日――
国会議事堂前に特設ステージが作られた。
報道各社、観覧客、アイドルファン、烈馬ファン――
総勢2万人が集結。
「烈馬議員! 今日こそ公開プロポーズって本当ですか!?」
「馬で結婚式ってどうやるんですか!?」
「姫乃さん幸せですか!?」
マイクを向けられたゆきは、
ほんのり赤い頬で笑った。
「はい……全部、烈馬さんにお任せします♡」
3
ステージ袖。
あやめは頭を抱えてぶつぶつ。
「あぁぁ……万が一フラれたら支持率暴落……
いや、あの子は絶対OKする……はず……
でも烈馬さんのことだから何かやらかす……!」
その背後で、烈馬は鎧をピカピカに磨いていた。
黒風も花飾りでおめかし中。
4
司会者のカウントダウンが始まる。
「10! 9! 8……!」
観客「烈馬ーーー!!」
ファン「姫乃ちゃーん!!」
あやめ「お願いだから普通にしてぇぇぇぇぇ!!」
5
ついにステージ中央へ――
烈馬、黒風に跨がったまま、ゆきの前に現れる。
パカラッ パカラッ……
観客総歓声!!
フラッシュの嵐!!
烈馬はゆきの前で、
馬上からゆっくりと刀を抜き――
月明かりに輝かせた。
6
会場が息を呑む。
烈馬は高らかに叫んだ。
「姫乃ゆき――
貴公は拙者が討ち取るべき唯一の女なり!!
ゆえに――生涯、拙者の妻となり、
愛と義のもとに共に生きようぞ!!」
7
ゆきは頬を赤く染め、涙を浮かべて言った。
「はい……烈馬さん……
よろしくお願いします♡」
観客「おおおおおおおおお!!!」
8
烈馬は刀を鞘に納め、
ゆきを黒風の背に引き上げ、
二人乗りでステージを駆け抜けた!!
パカラッ パカラッ パカラッ!!
歓声、拍手、紙吹雪――
国民的結婚式は、歴史に残る大喝采の中で執り行われた。
9
ステージ袖であやめは、
祝福の渦を遠い目で見つめながら呟いた。
「胃……もう……いらないかな……(感涙)」
完
【エピローグ】
烈馬とゆきの結婚式は後日、正式に神社で執り行われ――
もちろん馬で入場。
国民の祝福を一身に受け、
新たな伝説が生まれた。
こうして――
戦国武将ジョッキー烈馬の愛と政の大突撃は
日本の歴史に深く刻まれたのであった――!
THE END