第4話 「愛と陰謀の渦中へ! 烈馬、姫乃ゆきを守り抜け!」
1
烈馬と姫乃ゆきの「馬上交際宣言」は
国民の度肝を抜いた。
連日ワイドショーは烈馬とゆきの話題で持ち切り。
一方、国会では――
「烈馬議員は恋愛にうつつを抜かし、国政を疎かにしている!」
「姫乃ゆきとの関係は票集めのための偽装だ!」
陰で糸を引くフィクサーのささやきに、
一部の議員とマスコミが一斉に牙を剥いた。
2
烈馬の執務室。
あやめ(秘書)は机に突っ伏し、
頭に冷えピタを貼っていた。
「あぁぁぁぁ……胃がもげる……」
烈馬は窓際で刀を研ぎつつ、
ゆきを背中にかばっていた。
姫乃ゆき(可憐な笑顔)
「烈馬さん……私のせいで……」
烈馬「案ずるな。拙者が守る!
貴公を討とうとする奸臣ども――
逆に討ち取ってくれようぞ!!」
3
その夜。
烈馬の元に、匿名の脅迫状が届いた。
『姫乃ゆきを引き渡せ。
さもなくば国会議事堂でお前を討つ。』
あやめ「なにこれ物騒!!」
烈馬は刀を鞘に納め、
黒風のたてがみに手を置いた。
「決戦の刻か――!!」
ゆき「烈馬さん……!」
あやめ「待って待って待って!!
どうせまた馬で国会行く気でしょ!?
馬だけはやめてえええええ!!」
4
翌日――
夜の国会議事堂前。
不審者が警備をかいくぐり潜入していた。
ゆきを攫い、烈馬を陥れるのが奴らの狙いだった。
しかし――
国会内の廊下に鳴り響く蹄の音!!
パカラッ パカラッ!!
5
襲撃者たちの前に、
黒風に跨がった烈馬が立ちはだかる!
ゆきは烈馬の背中にしがみつき、
あやめは半泣きでカメラを回していた。
「ま、また馬で来た――!!
でも映像はバズる……!!」
6
襲撃者が飛びかかる!
烈馬「討ち取りィィィ!!」
刀が月明かりに閃き、
襲撃者の武器だけを見事に叩き落とす!!
襲撃者「ぎゃあああ!!」
7
黒風は暗闇を駆け抜け、
議事堂を走り回りながら
残党を蹴散らす!
ゆき「烈馬さん……すごい……!」
あやめ「すごいのは黒風だよォォォ!!」
8
襲撃者が全員取り押さえられたころ――
背後に現れた黒幕が、烈馬に銃を向けた。
「これ以上、我々の利権を邪魔するな……
貴様さえいなければ……!」
烈馬は振り返らずに言った。
「貴様の奸計――
拙者の愛と義で討ち取る!!」
9
黒幕が引き金を引く瞬間――
黒風が後ろ蹴りをお見舞い!!
黒幕は綺麗に廊下を転がった。
烈馬はゆきを抱き寄せて言った。
「姫乃どの――
貴公は拙者が生涯をかけて守る!」
ゆき「はいっ……♡」
あやめ「お幸せにィィィ……(胃薬がぶ飲み)」