第52話 お風呂
寒いですね。
こんな時は、熱燗とかの温かい飲み物とか、そしてやはりお風呂がいいですかね〜
ネズミ「やぁ、ウサギくん」
ウサギ「やぁ、ネズミくん。
頭に何乗せてるの?」
ネズミ「手拭いだよ」
ウサギ「何でまた?」
ネズミ「お風呂に入る時はこのスタイルでしょ」
ウサギ「これからお風呂に行くの?」
ネズミ「俺を入れてくれる風呂なんて何処にもないさ。
気分だけだよ」
ウサギ「何かそれって変じゃない?」
ネズミ「どうして?」
ウサギ「だってお風呂に入れる訳じゃないのに」
ネズミ「だから気分だけだ、って言ってるだろ」
ウサギ「ん~?」
ネズミ「最近凄く寒いだろ。
だから温かいお風呂がいいな~ってさ」
ウサギ「なるほどね~
僕も寒いの苦手だから、お風呂で温まるっていいと思うよ」
ネズミ「だろ~」
ウサギ「おまけに汚れが落ちてスッキリするし・・」
ネズミ「もしかしてウサギくん、お風呂に入ったことがあるの?」
ウサギ「あるよ!」
ネズミ「何時? 何処で?」
ウサギ「去年の年の暮れに太郎くんのお家で」
ネズミ「そんな話、聞いてないよ」
ウサギ「言ってないもん」
ネズミ「たまげたね~」
ウサギ「お風呂は初めてだったんだけど、気持ちよかったな~
毛がふわふわになって、奇麗になって・・」
ネズミ「一人だけで、ずるいな~」
ウサギ「それは仕方ないでしょ」
ネズミ「悔しいな!
俺はまだ一度も入ったことがないのに」
ウサギ「そうだったの!」
ネズミ「ああ。
それにしてもウサギくんは汚れた体でも平気だと思ってたんだけど・・・」
ウサギ「・・・・(僕はきれい好きなの!)」
ネズミ「お忍びでどこかの家のお風呂に入りに行こうかな!」
ウサギ「見つかったら大変な事になっちゃうよ」
ネズミ「何でさ!」
ウサギ「言いたくないけど、ネズミくんは絶対嫌われてるからね」
ネズミ「そんなこと、ウサギくんに言われなくても分かってるよ」
ウサギ「でもどうして今日はお風呂に入りたいって思ったの?」
ネズミ「テレビでね、カピバラがお風呂に入っているのを見たんだ」
ウサギ「それで誘発された?」
ネズミ「そう。
多くの人が見てる前で気持ちよさそうにしてたんだ」
ウサギ「カピバラは人気ものだからね」
ネズミ「あいつはネズミの仲間なんだぜ。
何でちやほやされるんだ!?」
ウサギ「のほほ~んとしてて、可愛いじゃん」
ネズミ「俺は可愛くないもんな!」
ウサギ「ここで拗ねたって仕方ないじゃん」
ネズミ「分かってるよ!」
ウサギ「露天風呂でもあればいいのにね」
ネズミ「そうだよな~
でもこの辺にはないからな~」
ウサギ「太郎くんがバスで隣町に行って露天風呂に入って来たって言ってたよ。
広くってすごく気持ちが良かったって」
ネズミ「隣町か~」
ウサギ「ちょっと遠いよね。
ネズミくんでもそこまで行くのは無理でしょ」
ネズミ「ん! 俺を馬鹿にすんなよ!
隣町に行くくらいは俺にとってはなんでもないから」
ウサギ「知らないところに行くのは危ないよ」
ネズミ「俺は冒険家だからさ、知らないところに行くのは逆にワクワクするんだ!」
ウサギ「迷子になっても知らないよ」
ネズミ「大丈夫。俺にはGPS機能が備わっているからね」
ウサギ「何それ?」
ネズミ「俺は方位方角が自然と分かるんだよ」
ウサギ「それは凄いね」
ネズミ「凄いだろ」
ウサギ「ウン、凄い」
ネズミ「今晩隣町に行ってみるかな!?」
ウサギ「くれぐれも気を付けてね。
猫がいるかも知れないし・・・」
ネズミ「忠告、ありがとう」
ウサギ「無事に帰って来れたら二人でお祝いでもしようか!?」
ネズミ「大袈裟だな~
お祝いって何をするのさ」
ウサギ「太郎くんが取ってきてくれた草を半分あげるよ」
ネズミ「気持ちは嬉しいけど・・・
大事な草なんだから無理しなくていいよ(頭ごなしにいらないなんて言えないもんな)」
ウサギ「だってネズミくんは僕には絶対無理なことをやろうとしているんだから、僕の気持ちを受け取って欲しいよ」
ネズミ「明日の朝、ここに来なかったら俺のために念仏でも唱えてくれよ」
ウサギ「縁起でもないこと、言わないでよ!」
ネズミ「冗談だよ。心配はいらないから。
明日の俺は見違えるほど奇麗になってるから、びっくりするなよ」
ウサギ「楽しみにしてるよ」
ネズミ「じゃあ、また明日。
バイバイ」
ウサギ「ネズミくんの命懸けの行動力って、本当に凄い。
それにしても露天風呂のことなんか言わなければ良かったかな~!?
無事に戻ってくることを祈るよ!
だけどさ、僕もまたお風呂に入りたいな~」
夕暮れ時の一段と冷え込んでくる時間帯は裸になるとヒートショックの危険性が高いらしいので、隠居の自分は昼間にお風呂に入るようにしています。
皆さんもお気を付けください。




