第46話 悟(さと)り
一寸風刺を効かせました。
今国会中継を視聴している人が増えているらしいですね。
自分たちの将来の事が掛かっている訳ですから、いいことだと思います。
ネズミ「やぁ、ウサギくん」
ウサギ「やぁ、ネズミくん。
今日は何だかいつもと顔つきが違うように見えるね」
ネズミ「そうかい。どんな風に?」
ウサギ「何だかね、ちょっと神々しいというか!?」
ネズミ「やっぱり、そうかい」
ウサギ「何でやっぱりなの?」
ネズミ「それはね、目覚めたからなんだよ」
ウサギ「目覚めた!? 可笑しなこと言うね。
だって寝てたらここには来れないでしょ」
ネズミ「ウサギくんは言葉の本質を捉えられないんだね」
ウサギ「本質? 何それ?」
ネズミ「目覚めたとはね、私が悟りを開いたってことを言っているんだよ」
ウサギ「あれ!あれ!あれれ!
ネズミくんが『わたし』って、どうしちゃったの?」
ネズミ「悟りを開いたんだからもう『俺』なんて言えないでしょ」
ウサギ「悟り!? それって何?」
ネズミ「君には理解できない世界のことだよ」
ウサギ「それってどんな世界?」
ネズミ「面倒くさい奴だな~
それはね、真理を極めたというか、ちっちゃいことにはもうこだわらないって世界のことなんだよ!」
ウサギ「ふ~ん! よく分かんないけど」
ネズミ「人の悪口を言ったりなんかしない。馬鹿にもしない!」
ウサギ「じゃあ、僕の悪口を言ったり馬鹿にもしないってことだね」
ネズミ「当然!」
ウサギ「それは良かった。
悟りって凄いね!
これは僕にはとても無理な世界かな~!?」
ネズミ「そうだろうね。
ウサギくんには無理だね。
君はこの世で一・二を争う愚民だから」
ウサギ「愚民? 何それ?」
ネズミ「愚かな民って意味だよ。
正にウサギくんのことさ」
ウサギ「・・・・(僕を馬鹿にするところなんか全然変わってないじゃないか! 嘘ばっかり!)」
ネズミ「何か言ったかな?」
ウサギ「何も言ってないけど、でも何で急にそんな風になったの?」
ネズミ「いい質問だから答えてあげよう」
ウサギ「何だか付き合いにくいな~」
ネズミ「やっぱり付き合いにくい?」
ウサギ「ウン! ペースが狂っちゃうよ」
ネズミ「そうだよね~
俺も調子が出ない」
ウサギ「あれ? 『俺!』って何だかいつものネズミくんに戻ったみたい!?」
ネズミ「そろそろ疲れてきちゃったからね」
ウサギ「演技してたの?」
ネズミ「悟りを開いたらこんな風かなって、やってみたかったんだ」
ウサギ「何でまた?」
ネズミ「いやね、古本の中にお釈迦様の本があってさ」
ウサギ「それを見たの?」
ネズミ「うん! それで啓発されちゃってさ」
ウサギ「それでお釈迦様のまねをしてみたくなったって訳?」
ネズミ「その通り!」
ウサギ「でもね、話の途中であれ?って思ったことがあったよ」
ネズミ「何処で?」
ウサギ「悟りを開いた人は『面倒くさい奴だな~』なんて言わないと思ったからね」
ネズミ「何だ!随分ちゃんと分析してるじゃん」
ウサギ「僕のことをもう愚民なんて言わない?」
ネズミ「あれは冗談だよ」
ウサギ「そうは思えないけどね」
ネズミ「ウサギくん相手ならやり通せるかもって思ったんだけどね」
ウサギ「僕はさっきみたいなネズミくんは正直言って嫌いだな!」
ネズミ「俺もそう思うよ。
自分でやっててつまらなかったからね」
ウサギ「自分じゃない自分じゃ、楽しめないよね」
ネズミ「だけどそういうことをしたがる人って結構いるよね」
ウサギ「例えば?」
ネズミ「この前テレビをたまたま見たんだけどさ」
ウサギ「そこに悟りを開いた風の人が出てたの?」
ネズミ「ん~! まぁね。
質問している人はそのつもりなんだろうけどさ~」
ウサギ「質問内容が変だったわけ?」
ネズミ「それがさ、善人ぶった物言いにしか聞こえないんだよね」
ウサギ「ネズミくんの洞察力は凄いね!」
ネズミ「そうだろ!
やっぱり俺って凄いよね!」
ウサギ「(ちょっとおだてるとすぐ調子に乗る)」
ネズミ「何か言ったかい?」
ウサギ「いや、何も・・・」
ネズミ「そうかい、そうかい。
やっぱり俺は凄いんだ!
さて機嫌をよくして、帰えろうかな~」
ウサギ「やっぱり単純なネズミくんの方がいいよね!」
疲れない生き方がいいと思います。
たまにはハメを外すのもストレスの解消になりますよね!
さて今日は何をしようかな!?




