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第44話 乍(なが)ら

細菌性の風邪を引いて暫くいい子にしてました。

全国的に風邪引きさんが多いようです。

お気をつけください。

ネズミ「やぁ、ウサギくん」


ウサギ「やぁ、ネズミくん。

 あれ!今朝ごはん?」


ネズミ「何で?」


ウサギ「だってほっぺを一杯(ふく)らませて、お口もぐもぐし乍らやって来るから」


ネズミ「あぁ、さっきあそこでクッキーを見つけたから、ついね。

 これ結構、美味い!」


ウサギ「ものを食べ乍らお話しするのは良くないって太郎くんが言ってたよ」


ネズミ「一寸待って! 急いで飲み込むから」


ウサギ「そんなに急がなくても・・

 喉に詰まっちゃうよ! お水飲まなくて大丈夫?」


ネズミ「大丈夫。

 俺はね、喉をさすり乍らだと詰まらせることはないんだよ」


ウサギ「へ~、そうなんだ」


ネズミ「ところで、さっきの話だけど、何でよくないんだい?」


ウサギ「よく分かんないけど、口の中のものが見えたりして奇麗じゃないし、食べ物が飛んで汚いから、って思うんだけど」


ネズミ「ホ~! なるほどね!?」


ウサギ「そんな推察ができるようになったのはネズミくんの教育のお陰だって言いたいんでしょ」


ネズミ「やっと自覚したね」


ウサギ「・・・・(毎度で呆れる!)」


ネズミ「そういえば、さっきウサギくんが『ながら』って言ったけど、結構この乍らで何かするって楽しくない?」


ウサギ「うん、確かに」


ネズミ「いろんな乍らがあるけど、ウサギくんのお薦めの乍らって何?」


ウサギ「そうね~

 美味しい草を食べ乍ら大きい花火を見るっていいよね!

 ドッカ~ン! もぐもぐ!

 想像しただけで、もうたまらないよ」


ネズミ「花火を見乍らか~

 良いんじゃない」


ウサギ「早く来年の夏にならないかな~」


ネズミ「まだ冬にもなっていないのに一寸気が早いんじゃない」


ウサギ「だって凄く楽しみなんだもん」


ネズミ「そんなに早く来年のことを言うと鬼が笑うどころか呆れられちゃうよ。

 他に何かある?」


ウサギ「僕の方ばっかりじゃなくて、ネズミくんはどうなのさ?」


ネズミ「俺はいつだって乍ら族だからね」


ウサギ「そうなの?」


ネズミ「能力が高いとね、一度に別々のことができるんだよ」


ウサギ「また自慢が始まった」


ネズミ「俺の得意の乍らはウサギくんには絶対できないね」


ウサギ「それ、何?」


ネズミ「猫に追いかけられ乍ら算数の問題を解く。

 これ、ウサギくんには絶対無理だろ!」


ウサギ「それって狂ってない!?」


ネズミ「恐れ入ったかい?」


ウサギ「恐れ入る訳なんか、ないじゃん。

そもそも僕は猫に追いかけられることなんてないしね」


ネズミ「ウサギくんはそうだけど、結構スリルがあって面白いんだ」


ウサギ「危険が一杯だよ」


ネズミ「俺のことを諦めた時のあの猫の悔しそうな顔は笑える。

 それに問題を解いた快感も同時に味わえるんだ。

 最高だよ!」


ウサギ「そんなことしてると、その内食べられちゃうよ」


ネズミ「俺はそんなへまはしないさ。

 いつも逃げ道を考え乍ら行動してるからね」


ウサギ「それはネズミくんの勝手だけど・・・

 ところで歩き乍ら本を読むってどう思う?」


ネズミ「そりゃ、二宮金次郎じゃないか!」


ウサギ「昔は何処の小学校にもその人の像があったんだよね!?」


ネズミ「よく知ってるじゃん。

 また太郎くんの受け売りかな!?」


ウサギ「いつ頃からなくなったんだろうね?」


ネズミ「きっとスマホがはやり出してからなんじゃないかな~」


ウサギ「その意味はよく分からないけど、そうなのかな~!」


ネズミ「そういえばこの前歩きスマホの人がいてね」


ウサギ「それで?」


ネズミ「突然『痛!』って大きな声が聞こえてさ」


ウサギ「ふんふん!」


ネズミ「声の方を見たらその人、電柱にぶつかってさ・・」


ウサギ「あれまぁ」


ネズミ「相当恥ずかしかったんだろうね。周りをキョロキョロして逃げるようにして走って行ったよ」


ウサギ「ケガがなかったんなら良かった」


ネズミ「そうなんだけどさ。

 その場から離れたらまたスマホを見乍ら歩いているんだよ。

 全く懲りない人だね~」


ウサギ「あれまぁ!」


ネズミ「よっぽど面白いもの見てるんだろうな」


ウサギ「いくら面白いからって、その内取り返しのつかないことになっちゃうかも知れないよね」


ネズミ「俺もそう思うよ」


ウサギ「それにしても、ネズミくんも猫の件は気を付けた方がいいんじゃない!?」


ネズミ「俺は大丈夫だって言ってるだろ!」


ウサギ「心配してるんだよ」


ネズミ「大きなお世話だよ。

 俺には俺の流儀ってもんがあるんだから。

 さて、それじゃ猫でも構ってくるかな!

 バイバイね~」


ウサギ「粋がってあんなこと言って!ネズミくんはホントに危なっかしいよね。

 歩きスマホの人のことは散々懲りない人だとか言っていたのに。

 それにしても早く来年の夏が来ないかな~

 来年はネズミくんと一緒に美味しいものでも食べ乍ら花火が見られたらいいけどな~!」

危険と分かっていてもやめられないものってあるんですよね。

でも大事なのは命です。生命がなくなってしまったらやりたいことができなくなっちゃいますから。

何事もほどほどがいいのでしょうか!?

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