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第43話 擬音(ぎおん)

今日此の頃世の中が騒がしくて、それに随分と付き合っていて疲れも溜まってきました。

ここらでウサネズのバカバカしい話で、一息入れてください。

ネズミ「やぁ、ウサギくん」


ウサギ「やぁ、ネズミくん。今日は何で口をとがらせてるの?」


ネズミ「チュー チュー」


ウサギ「あれ? どうしたのネズミくん!?」


ネズミ「驚いた?」


ウサギ「あぁ、良かった!

 急にチューチュー言い出すからもう僕とおしゃべりができなくなっちゃったのかって、心配したよ」


ネズミ「『擬音』って知ってるかい?」


ウサギ「ワンワン、とか、ニャンニャン、とかのこと?」


ネズミ「ほ~っ!

 大したもんだ。知ってるじゃん」


ウサギ「エヘン!

 まぁ、そのくらいのことはね!」


ネズミ「食いしん坊のウサギくんのことだから『喰いもん!?』とか言うかと思った」


ウサギ「・・・・(食いしん坊はネズミくんだろ!)」


ネズミ「『ひゅう~ ひゅう~』って言ったら何だと思う?」


ウサギ「風が吹いている音かな~?」


ネズミ「正解!

 ちょっと冷たい北風のような感じだよね」


ウサギ「そうだね。

 僕は寒がりだから、寒くなるのは嫌だな~」


ネズミ「『そよそよ』って言ったら温かい春風みたいだろ!」


ウサギ「擬音って面白いね。

 たったそれだけの表現なのにいろいろな顔を持っているんだね」


ネズミ「おや、びっくり!

 芸術的な美味いこと言うじゃん」


ウサギ「それほどでもないさ!」


ネズミ「いやいや、ウサギくん大したもんだよ。

 じゃあ、『パクパク』は何?」


ウサギ「食べている時の音かな!?

 やっぱり食いしん坊はネズミくんだよね!」


ネズミ「それは置いといて、『もぐもぐ』って言い方もあるよね」


ウサギ「そうだね。

 それ、可愛い言い方だよね。

 同じ食べるときの音でもいろいろな表現があるんだね」


ネズミ「他に『くちゃくちゃ』なんて言い方もあるね」


ウサギ「何だかそれは汚そ~!」


ネズミ「そうだね~!

 じゃあ、『ど~ん』って言ったら?」


ウサギ「大きなものにぶつかった時かな?

 それとも大きな太鼓を叩いた時の音かな?」


ネズミ「ウサギくんの大好きな大きな花火かも知れないよね」


ウサギ「そうか!?

 そうするとその擬音が何を表すかは前後で何を言っているか、それが判断材料になるんだね」


ネズミ「だから一部分だけを切り取って相手に伝えようとしても正確には伝わらない、ってことなんだよ」


ウサギ「なるほどね~

 流石にネズミくん、指摘が鋭いね」


ネズミ「故意にそういうことをすれば、『うっ!サギ!』って言われちゃうからね~」


ウサギ「それ、僕に引っ掛けてる!?」


ネズミ「それにしてもウサギくん、今日は随分と難しいことをサラッと言えて凄いじゃん」


ウサギ「その『サラッと』も擬音だよね」


ネズミ「そうだよ。そこに気が付くなんて賢くなったね~!

 俺に感謝しなさいよ!」


ウサギ「・・・・(また始まった)」


ネズミ「恐れ入ったかい!」


ウサギ「へへ~っ!」


ネズミ「おなら、したいの?」


ウサギ「違うよ!ぬかづいた時の表現だよ」


ネズミ「分かってるよ!

 それならちゃんと頭を下げなくちゃね」


ウサギ「そうか!

 これは擬音じゃないから動作を伴わないといけないんだよね」


ネズミ「バン!」


ウサギ「うっ! やられた~」


ネズミ「おっ!なかなかの演技するじゃないか」


ウサギ「何で突然僕を撃ったのさ?」


ネズミ「一寸からかい半分で、ウサギくんがどんな反応をするか、それを見たかったんだよ!」


ウサギ「バン!は擬音だけど、一寸手の動作を加えると現実味が出るから、不思議だよね~」


ネズミ「ウサギくん、今日は難しいことを本当にサラッと言うじゃないか」


ウサギ「成長したのかな~」


ネズミ「俺ほどじゃないけどね!?」


ウサギ「・・・・(おだてたり落としたり、悔しいな~)」


ネズミ「でもこれでやっとちゃんとした俺の話し相手になれた!ってところかな。

 良かった、良かった。

 一寸満足したところで《《ぼちぼち》》帰るかな。

 バイバイ!」


ウサギ「随分と言いたいこと言って帰っちゃった。益々悔しい。

 そうだ!

 お~い、ネズミく~ん」


ネズミ「な~に~?」


ウサギ「バン!!」


ネズミ「あぁ~! やられた~」


ウサギ「仕返しだよ~!」

余計に疲れが溜まっちゃいましたか?

こういう時は温かいコーヒーかお茶の方がいいですかね〜

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