第39話 初恋(はつこい) その1
初恋っていいですね。
辛かったり、苦しかったり、嬉しかったり、興奮してみたり、泣いてみたり、笑ってみたり…
月並みですけど、青春なんですよね。
高齢者もたまにはその当時のことを思い返すのも悪くないかも! って思います。
ネズミ「やぁ、ウサギくん」
ウサギ「やぁ、ネズミくん。
何かいいことでもあったの?」
ネズミ「どうして?」
ウサギ「だって今日はちょっと顔が《《にやけてる》》ように見えるんだけど」
ネズミ「えっ! にやけてる?」
ウサギ「うん。何となくだけどね」
ネズミ「そうか~
のほほんのウサギくんにもそんなことが分かるんだ~」
ウサギ「・・・・(もう口を利くの、止めるぞ!)」
ネズミ「好きな子ができちゃってさ!」
ウサギ「えええええええ~!」
ネズミ「そんなに驚かなくったっていいじゃないか!」
ウサギ「だって、だって、だって!」
ネズミ「それは驚きすぎだよ!
本当にもう、叩いたろか!」
ウサギ「もうネズミくんと口を利くの止めようかと思ったんだけど、取り消すよ」
ネズミ「なんで口を利くのを止めようと思ったんだい?」
ウサギ「そんなことはどうでもいいから、好きな子のこと、聞かせて!?」
ネズミ「聞きたい?」
ウサギ「当たり前じゃないか!」
ネズミ「しょうがないな~
ウサギくんだから、特別だよ」
ウサギ「もったいぶらないで、早く話しなよ!」
ネズミ「実はさ、この前初めてのお家に行ったんだけど・・」
ウサギ「初めての家!
それで、そこの奥さんに一目ぼれ!?」
ネズミ「何馬鹿なこと言ってるんだい!」
ウサギ「違うの?」
ネズミ「そんなこと、ある訳ないじゃん」
ウサギ「だって凄く優しそうな奥さんだったら、それだってありなんじゃない?」
ネズミ「あのさ、勝手に決めつけないでくれる!」
ウサギ「だって、ネズミくんがさっさと話さないから・・」
ネズミ「ウサギくんは本当にせっかちだね」
ウサギ「だってワクワクしちゃうんだから仕方ないじゃん」
ネズミ「慌てないでちゃんと聞きなよ」
ウサギ「うん! さぁ、どうぞ!」
ネズミ「その振り方だと話しずらくなっちゃうな~」
ウサギ「いいから、話して!」
ネズミ「そこの家の女の子でさ、ここの小学校に通ってるんだよ」
ウサギ「ええええ! ここに?」
ネズミ「そうだよ。悪いかい?」
ウサギ「悪いなんて、そんなこと一言も言ってないよ」
ネズミ「そうだけど、何か気に障る言い方なんだよね」
ウサギ「気に障ったらゴメン。謝るから続けて!」
ネズミ「五年生らしい」
ウサギ「じゃあ、太郎くんの先輩になるんだ!」
ネズミ「それはどうでもいいんだけど・・」
ウサギ「あぁ、そりゃそうだよね。
それで!」
ネズミ「本当にせかすね」
ウサギ「だって興味津々なんだもん」
ネズミ「全くウサギくんは、ミーハーだな~」
ウサギ「ミーハーだなんて、僕くらいの年頃はみんなそんなもんだよ!」
ネズミ「そうかも知れないけどさ!
ただ一つ、問題があるんだよね」
ウサギ「どんな?」
ネズミ「俺がネズミだってことさ!」
ウサギ「そんなの、分かってるよ。
でも諦めちゃだめだよ!」
ネズミ「とにかく俺は嫌われものだからね」
ウサギ「最初っからそれを持ち出して否定したら、もうそれでお終いだよ!」
ネズミ「確かにそうだけど、この問題はいくら俺でも解決策が見つからないんだよ」
ウサギ「応援するから!」
ネズミ「ありがとう。
一応お礼を言っておくけど、あんまり力にならないよな~」
ウサギ「そりゃそうだろうけど。 とにかく当たって砕けろ! って言うじゃない」
ネズミ「砕けるのは俺のプライドが許さないかもな~!」
ウサギ「かっこつけている場合じゃないだろ!」
ネズミ「ウサギくんは随分と積極的だね」
ウサギ「こういうことは常に前向きでないと!」
ネズミ「それ、俺に対するアドバイスにはなってないと思う。
ただ、この気持ちは本物なんだよね」
ウサギ「進展したらいいね~」
ネズミ「うん、そうなんだけどさ~
これが青春ってもん、なのかな~!?
あぁ、そろそろ帰ってみるよ」
ウサギ「また成り行きを聞かせて」
ネズミ「気が向いたらね。
それじゃ、バイバイ」
ウサギ「にやけてたけど、やっぱり溜め息交じりで、ちょっと元気もないかな~
ネズミくんの悩み多き青春か~!?
とにかく頑張れ! ネズミくん」
この話は3回続きます。
今、このことに真っ最中の方もいるでしょう。
参考にはならいかもしれませんが受け止めて頂けたら嬉しいです。




