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第31話 おはよう!

おはよう!

こんにちは!

こんばんは!

おやすみなさい!

ありがとう!

いただきます!


なんて素敵な日本語なんだろう!

ネズミ「やぁ、ウサギくん。おはよう!」


ウサギ「やぁ、ネズミくん。おはよう!

 今日はいつもより早い登校だね。早起きしたの?」


ネズミ「暑くってさ、寝ていられなかったんだよ」


ウサギ「そうだよね。今日も熱帯夜だったからね」


ネズミ「おぉ、そんな言葉、よく知ってたね!」


ウサギ「・・・・(朝からこれだ!)」


ネズミ「ところでさっき、いつもなら言わない言葉を言ったよね」


ウサギ「ん? 何だっけ!」


ネズミ「気が付いていないのかい!?」


ウサギ「ん~! いつも言ってない言葉?」


ネズミ「全くしょうがないな~

 さっき珍しく『おはよう』って言ったじゃないか」


ウサギ「そうだっけ!?

 それ、いつも太郎くんたちに普通に言ってるから、気が付かなかったよ」


ネズミ「ウサギくんはいい子だからね!

 まぁそれが太郎くんにちゃんと伝わっているかは分からないけど、その挨拶が普通に出来てるんだよね」


ウサギ「きっと伝わっているさ!

 だけどそれって誰だって普通にしてるんじゃないの?」


ネズミ「それがさ、全くしない人もいるんだよ」


ウサギ「へ~ そうなの?

 それって病気でしゃべることができない人とか?」


ネズミ「そうじゃないよ!

 そういう人はね、それなりに別のコミュニケーションの仕方をするからね」


ウサギ「なるほど!

 じゃあ、それってどんな人?」


ネズミ「基本はそういう教育を受けてない、ってことなんだと思うよ」


ウサギ「そうなんだ~

 それってもったいないよね。 挨拶すると一寸気持ちがいいのに」


ネズミ「そうだよね」


ウサギ「何で挨拶しないんだろ?」


ネズミ「いろいろな事情があるのかもね」


ウサギ「例えばどんな事情?」


ネズミ「相手のことが嫌いだとか・・・」


ウサギ「好き嫌いか~」


ネズミ「ほら、ウサギくんの嫌いな奴がそこに来た!」


ウサギ「えっ!」


ネズミ「嘘だよ!」


ウサギ「驚かさないでよ。

 確かに顔も合わせたくないって思う程嫌いな人だったりすれば、その気持ち、分かるな」


ネズミ「そうだろ!

 だけどウサギくんにも嫌いな人がいるんだ!?」


ウサギ「大きい声では言えないけど、実はいるんだよ!」


ネズミ「それって誰?

 まさか俺じゃないよね」


ウサギ「ネズミくんである筈ないじゃん」


ネズミ「そうだよね。

 だからそれって、誰?」


ウサギ「ここにやって来ては僕の耳を掴んでぶら下げたり、太郎くんが運んでくれた草で僕をくすぐったりする子がいるんだよ」


ネズミ「そんな奴がいるんだ!」


ウサギ「僕は耳を掴まれるのは嫌なんだ」


ネズミ「嫌な奴って、どこにでも必ず一人や二人いるもんだよね。

 俺がさ、後でそいつにそれなりに仕返ししてやるよ!」


ウサギ「ありがとう!

 でも僕が一寸我慢すればいいことなんで、そんなに大袈裟にしなくても大丈夫だよ」


ネズミ「そんな風に思えるなんて、ウサギくんは大したもんだね」


ウサギ「そぉ!

 褒められちゃった!

 エヘッ!

 ところで他には?」


ネズミ「そうだね~

 挨拶すると損しちゃう、みたいな気になるとか・・・」


ウサギ「損しちゃうって、そんなことある訳ないじゃん」


ネズミ「可能性はあるよ。

 考え方なんて人それぞれだからね」


ウサギ「まぁ、そうかも知れないけど~」


ネズミ「この前、今のとは関係ない話だけど、挨拶したとかしないとかで喧嘩になったのを見たよ」


ウサギ「喧嘩しちゃうの?」


ネズミ「そうなんだよ」


ウサギ「どんな喧嘩だったの?」


ネズミ「中学生くらいの人だったんだけど『なんで俺に挨拶しないんだ!』って下級生らしい人に怒鳴っていたんだ」


ウサギ「怖いね~ ところでその中学生くらいの人の方は挨拶したの?」


ネズミ「それがね、『よお!』って言って手まで上げたらしいんだ」


ウサギ「じゃあ何でその人、返事を返さなかったんだろ!?」


ネズミ「普通ならそう思うよね!

 それがさ、その挨拶しなかった方がね、返すどころかとんでもないこと、言ったんだ」


ウサギ「なんて言ったの?」


ネズミ「『僕のお父さんのこと知ってるよね!

 言いつけてやるからそのつもりでいろ!』って」


ウサギ「そりゃまたとんでもなく凄いことを言うね」


ネズミ「俺もびっくりしちゃってさ」


ウサギ「そりゃ中学生の方が怒って当たり前だと思うけど、何でそんなこと言ったんだろ?」


ネズミ「この人の親は多分それなりに偉い人なんじゃない。

 それでそれを鼻にかけてお高くとまっているんだと思う」


ウサギ「その人、それで楽しいのかな~?」


ネズミ「どうなんだろうね。

 でも世の中なんて大体そんなもんさ」


ウサギ「偉いと挨拶しなくなっちゃうってこと?」


ネズミ「一寸お金持ちそうで紳士風の人がね、狭い道で進路を譲ってもらっても、うんともすんともなく通り過ぎるなんてことがよくあるって聞いたよ」


ウサギ「それも嫌だね。

 そんな時は一寸ペコってお辞儀でもすれば、お互い気持ちがいいのに」


ネズミ「それがさ、偉くなっちゃうとできなくなっちゃうみたいなんだな~」


ウサギ「どうしてそうなっちゃうんだろうね!?」


ネズミ「それにしてもウサギくんは大したもんだよ。

 偉くないからかも知れないけど、それができるからね~」


ウサギ「一言余分だけど、それほどでもないさ!」


ネズミ「確かにそれほどのレベルの話じゃなけどね」


ウサギ「上げてみたり下げてみたり、相変わらずだね」


ネズミ「兎に角、礼にはキチンと礼をもって返す。

 これ大事なことだからウサギくん、くれぐれも、良~く心しておくように!

 それでは今日の授業はこれでおしまい。

 さて、下校するよ」


ウサギ「僕が最初に『登校』なんて言ったもんだから、すっかり先生気分になっちゃった!?

 出勤って言ったんならそれでもいいけど、登校って言ったんだから生徒ってことだよね。

 ネズミくんは自分に都合のいいように勘違いするからな~!。

 でもそのくらいな方が気楽で楽しい人生(?ネズミ生)が送れるって話かな!?」

こっちから挨拶しないと絶対に挨拶をしない人が意外と多いと感じています。

それでも率先して挨拶することを心掛けていますが、これって淋しいですよね。

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