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第30話 感動(かんどう)

最近、感動するようなことに遭遇してますか?

歳をとると本当に感動が減るそうです。

感動は若さの秘訣とも言われているようですよ!!

ネズミ「やぁ、ウサギくん」

ウサギ「やぁ、ネズミくん。

 あれ!ネズミくん。何だか日焼けしたみたいだね!?」


ネズミ「そうなんだよ。ここの所日照りが強いからね」


ウサギ「でもそれ可笑しくない?」


ネズミ「何で?」


ウサギ「だってネズミくんは本来夜行性じゃないの!?」


ネズミ「そう、本来はね」


ウサギ「なのに何で日焼けするの?」


ネズミ「夜ここに来てもウサギくんは早寝だから、話ができないじゃないか」


ウサギ「そうね。早寝早起きは僕のモットーだからね」


ネズミ「だから今日もそうだけど、仕方がないからわざわざお日様が出てからここにやって来るんだよ」


ウサギ「・・・・(いつものことだけど恩着せがましい)」


ネズミ「だからこの日焼けもウサギくんの所為せいなんだよ」


ウサギ「・・・・(僕の所為にしているけど、ここから帰った後どこかで悪戯いたずらしてるからじゃない!)」


ネズミ「黙っちゃって、どうしたんだい?」


ウサギ「・・・・(ますます開いた口が塞がらない)」


ネズミ「俺の話に感動して口がきけなくなっちゃったかな!?」


ウサギ「・・・・(今日は会話にならない)」


ネズミ「感動と言えば、ウサギくんは最近何かに感動したことはあるかい?」


ウサギ「(やっと真面まともな会話になった) うん、あるよ」


ネズミ「どんなことに感動したの?」


ウサギ「この前、凄い大雨になったでしょ」


ネズミ「確かに凄かったな~

 そう言えばテレビで洪水とか土砂崩れのニュースを流してたよ」


ウサギ「そんなことがあったんだ。

 被災地ひさいちの人たちは大変だね」


ネズミ「へ~!

 ウサギくんにもそういう思いる気持ちがあったんだ」


ウサギ「失礼な!

 そんなの当たり前だよ!」


ネズミ「まぁ、それが普通だよね。

 ところでその大雨がどうしたのさ?」


ウサギ「そうそう、それでね、太郎くんがその雨の中、びしょ濡れになって草を一杯持ってきてくれたんだよ」


ネズミ「さすがに太郎くんは偉いね~」


ウサギ「でしょ!

 もう僕、感動しちゃってさ」


ネズミ「ウサギくんのためだからね」


ウサギ「そう思ったら、嬉しくって涙が出ちゃったんだよ」


ネズミ「そっか~!

 太郎くんには感謝しなくちゃだね」


ウサギ「勿論感謝してるよ」


ネズミ「感動するって、何だか気持ちが新鮮になるし、その後に活力も沸いて来るような気がするよね」


ウサギ「そうだね。そんな感じがしたよ。

 ところでネズミくんも何か感動したことがある?」


ネズミ「勿論あるさ!」


ウサギ「聞かせて!」


ネズミ「そもそも感動ってどんな時にすると思う?」


ウサギ「今太郎くんの話をしたじゃない」


ネズミ「それ以外にもいろいろあるんじゃないかな」


ウサギ「例えば?」


ネズミ「凄くきれいな大自然の景色を見たときとかさ」


ウサギ「そうかも知れないけど僕はずっとここにいるから、それはよく分からないよ」


ネズミ「あぁ、そうだったね。

 一寸可哀そうなこと言っちゃったかな」


ウサギ「それは気にしなくてもいいよ」


ネズミ「おや!随分大人対応ができるようになったね。

 俺のお陰で・・・」


ウサギ「一言余分だけど、素直に喜んじゃうよ。

 他にも何かある?」


ネズミ「そうね~ ん~!」


ウサギ「もしかしてネズミくん、余り感動したことがないの?」


ネズミ「あぁ、いや~!

 昔はよくいろいろなものに感動してたんだけど、確かに最近は余りしてないかもしれない・・・」


ウサギ「何で感動しなくなったのかな?」


ネズミ「多分、俺が大人になって来たからじゃないかな!」


ウサギ「大人になると感動しなくなっちゃうの?」


ネズミ「大人になると閾値しきいちが高くなるって、そんな話を聞いたことがあるよ」


ウサギ「随分難しそうな言葉だけど、それって何?」


ネズミ「境界線みたいなものらしいよ」


ウサギ「感動するかしないかの境目ってことなのかな」


ネズミ「それで、正解だと思う。

 そういえば最近の俺は同じような場面に出くわしても『凄い!』って思わなくなってきたような気がするよな」


ウサギ「それって寂しくない?」


ネズミ「そんなこと、余り考えたことがないな」


ウサギ「若さがなくなって感覚が鈍ってきたってこと?」


ネズミ「ウサギくん、俺に向かってなんてこと言うんだい!」


ウサギ「ネズミくん、もう直ぐこの小学校で運動会があるんだよ」


ネズミ「何だい、藪から棒に。

 それでそれが何?」


ウサギ「太郎くんたちが楽器演奏しながら行進するらしいんだよ」


ネズミ「だからそれが何!?」


ウサギ「子供たちが一生懸命に練習して、その成果を披露するんだよ」


ネズミ「ダンスもするよね」


ウサギ「兎に角本当によく練習してるんだ!」


ネズミ「ウサギくん、それを俺に見させて聞かせて感動させようとしてる?」


ウサギ「うん。感動できると思うよ」


ネズミ「でもそれ、やるの昼間だよね」


ウサギ「大丈夫だよ。

 このケージの端に日陰になるところがあるから、日焼けを心配しないで済むと思うよ」


ネズミ「そお?」


ウサギ「たまには感動して新鮮な気持ちになれれば、若さを取り戻して、また元気が出るかも~!」


ネズミ「ウサギくんは元気そうだね。

 仕方ない。来てみるか・・・

 これ以上ここにいると日焼けしちゃって困るから、もう帰るよ」


ウサギ「何だか今日の会話は全く僕のペースだった、かな!?

 正直、嬉し!

 それにしてもネズミくんが言っていた大自然のきれいな景色だけど、太郎くんたちの頑張っている姿だってそれに匹敵する景色だって思っても間違いじゃないよね。

 ここにいてそれが見られる。

 ここは特等席かも・・・

 う~っ!

 わくわくしちゃう!」

さぁ、感動できるものを見つけに、

出かけましょう!!

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