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第28話 アイスクリーム

これだけ暑い日が続くと、やはりアイスクリーム! ですよね〜

ネズミ「やぁ、ウサギくん」


ウサギ「やぁ、ネズミくん。

 本当に毎日()だるような暑さが続くね」


ネズミ「さすがの俺も毛皮を脱ぎ捨てたい気分だよ!」


ウサギ「そこで何で《《さすが》》って言葉がでるの?」


ネズミ「何言ってんだい!

 全てに卓越たくえつしている俺だからその言葉が出るんだろ」


ウサギ「そうなんだ~

 ネズミくんは全てに卓越、ね~!?」


ネズミ「何ごちゃごちゃ言ってるんだい。

 ウサギくんの変な言掛りで余計に熱くなっちゃうよ!」


ウサギ「・・・・」


ネズミ「あぁ、こう暑い時はやはりアイスクリームに限るね」


ウサギ「えっ!

 アイスクリームを食べたの?」


ネズミ「あぁ、食べたよ!

 美味かったな~」


ウサギ「いつ食べたの?」


ネズミ「この前の夜祭りの時にね」


ウサギ「買ったの?」


ネズミ「何馬鹿なこと言ってるんだい。買う訳ないだろ!」


ウサギ「じゃあ、どうして食べることができたのさ?」


ネズミ「それがさ、幼稚園ぐらいの子が父親にねだってやっと買ってもらった三段のアイスがポトって地面に落ちてね」


ウサギ「それを失敬したってわけ?」


ネズミ「可哀そうな話なんだけど、まぁそういうこと」


ウサギ「いいな~!

 ねぇねぇ、それでどんな味がしたの?」


ネズミ「それがさ、程よい甘さでね、その甘みが冷たさと共に口の中にじわ~ってひろがってさ・・・」


ウサギ「ううう~~!」


ネズミ「そりゃもうほっぺたが落ちそうだったよ~」


ウサギ「ああぁ! 僕も食べてみたい~」


ネズミ「そう言うだろうと思ってさ、手にすくって走ったんだ。

 だけど、直ぐに溶けちゃってね」


ウサギ「卓越したネズミくんにも、できないことってあるんだね」


ネズミ「別に俺はオールマイティーって言ってる訳じゃないからね」


ウサギ「そうだよね~

 でもそのネズミくんの思いには素直に感謝するよ」


ネズミ「俺がそう思うのは当然だろ!

 友達、なんだから」


ウサギ「それにしても残念!

 溜息しか出ないよ」


ネズミ「そうガッカリしなくってもいいじゃん」


ウサギ「何で?」


ネズミ「《《また》》どこかで俺が食べてさ、《《また》》話を聞かせてあげるよ」


ウサギ「それじゃまた僕が悔しがるだけじゃないか!」


ネズミ「そんなことないよ。

 話が聞ければ想像することだってできるし、食べたつもりになれるんじゃない!?」


ウサギ「それじゃまるで地獄だよ!」


ネズミ「今日はね、違うところでまた夜祭があるんだ!

 じゃあ、そろそろ行って来るね!」


ウサギ「ネズミくん、友達ね~

 優しそうな振りをしているけど、本当は僕を羨ましがらせて喜んでいるだけにしか見えない。

 それにしたって毎回そんなにいい具合にアイスクリームを落としてくれる子なんているかな~!?

 そう言えば『待ちぼうけ』って童謡があったよね。

 その待ちぼうけをさせられているネズミくんを連想すると、何だか笑えちゃう。

 あれ! その歌はウサギが木の根っこにぶつかって、ていう内容だった。

 あぁ、この暑さプラスネズミくんの所為でちょっと嫌な気分になっちゃった」

ウサギくん、カワイソ〜!

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