第24話 おばけ?
ジメジメとした蒸し暑い日が続いています。
こわ〜い話で涼んで く〜だ〜さ〜い!
ネズミ「やぁ、 ウサギくん」
ウサギ「やぁ、ネズミくん。
今日はこの前より少し元気があるように見えるけど、何かいいことでもあったのかな?」
ネズミ「そう見えるかい?」
ウサギ「ウン。
何となくだけど口元が少し緩んでいるというか、口角が上がっているというか・・・」
ネズミ「微妙なところがよく分かるね~」
ウサギ「ネズミくんの変化というか、特に表情なんかは要注意だからね」
ネズミ「何で?」
ウサギ「機嫌が悪い時なんかは言掛りを付けられたり、喧嘩を売られたりするからね」
ネズミ「そうやって言掛りを付けるのはウサギくんの方だろ。
俺は何時だって冷静沈着、そんな感情なんかで振り回されたりはしないさ!」
ウサギ「・・・・(全くもう!・・全然分かってないよ)」
ネズミ「今日はね、夏がそこまで来てるから、ちょっと怖い『おばけ』の話なんだけど、それで涼しくしてあげようかと思ってね」
ウサギ「それ、嫌いじゃないけど、ものすごく怖い話になるとちょっと引けちゃうかもしれないな~」
ネズミ「聞いてみる?」
ウサギ「どしようかな~」
ネズミ「ほら~ ほら~!」
ウサギ「そうか!分かったよ。
ネズミくんは僕を怖がらせたくって何となく元気なんだね!」
ネズミ「今の洒落、分からなかったのかい?」
ウサギ「???」
ネズミ「怖い話だから・・・ほら~!って言ったんだけど」
ウサギ「あぁ、全然気が付かなかったよ」
ネズミ「まぁ、ウサギくんの能力じゃ仕方ないか」
ウサギ「・・・・(溜息) で、その怖い話って?」
ネズミ「怖くって、おしっこ漏らすなよ!」
ウサギ「いいから、早く話しなよ」
ネズミ「じゃ、話すよ。
昔々人気のない山奥にお化け屋敷と噂される今にも壊れそうな古い家が建っていたんだとさ」
ウサギ「毎度のパターンだけど、コワソ~」
ネズミ「その家には髪が真っ白で深い皴だらけの老婆が一人で住んでいたんだとさ」
ウサギ「やっぱり老婆なんだね」
ネズミ「汗がべっとりとまとわりつくようなある蒸し暑い日、一人の旅人がその家の傍を通りかかったんだとさ」
ウサギ「多分、辺りは夜も更けて真っ暗闇の中、なんだろ」
ネズミ「その通りだけど、変な茶地を入れないでくれる!」
ウサギ「ゴメン!」
ネズミ「その旅人は腹が空いていたので、その家に立ち寄って食い物を求めたんだそうな」
ウサギ「これもよくあるパターンだよね」
ネズミ「うるさい!
これからがいいところなんだから」
ウサギ「すいません!」
ネズミ「老婆は不気味な笑いを浮かべ旅人を家の中に招き入れたんだそうな」
ウサギ「・・・・」
ネズミ「老婆は雑炊を作って来るからそこで待ってなさいと言って奥の方に消えたんだとさ」
ウサギ「・・・・」
ネズミ「すると奥から包丁を砥ぐような音が聞こえてくる」
ウサギ「だんだん怖くなってきた」
ネズミ「旅人はそこで気が付いた」
ウサギ「??」
ネズミ「雑炊はそれこそいろいろなものを混ぜ込んで作るものだということを。
そしてもしかしたらそれには人の肉も入れるのかも知れないと」
ウサギ「きゃー!」
ネズミ「ひっひっひ!
老婆の低い笑い声が聞こえる」
ウサギ「いよいよ旅人が危ない!」
ネズミ「タンタンタンタン!
出刃包丁でまな板を叩く音がした」
ウサギ「あ~~!どうしよう」
ネズミ「暫くすると奥から老婆が大きなお椀をもってやって来るではないか」
ウサギ「大丈夫かな?」
ネズミ「老婆がそのお椀を旅人に手渡した」
ウサギ「旅人が何かされちゃうのか!?」
ネズミ「お椀を受け取った旅人が言ったそうな」
ウサギ「何て言ったの?」
ネズミ「このお椀の中におばあさんの髪の毛が・・・」
ウサギ「???」
ネズミ「おばあさんの髪の毛、
だから、お ば け」
ウサギ「??何それ!
とんでもなくくだらないただの駄洒落じゃん!!」
ネズミ「少しは涼しくなっただろ!
じゃあね!
また怖い話をしに来てあげるからね~」
ウサギ「嬉しそうに帰って行ってけど、あぁあ、ワクワクして損した!
余計に暑くなっちゃったよ!」
涼めましたか?
それとも…
怒でしょうか?




