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第2話 思い出の地

 白い線と閃光が見える

「ランディ!ミサイルだ、ブレイク、ブレイク」

「ふん、こんなヘロヘロ弾に当たるかよ!」

 ひらりとミサイルをかわすと追撃する。

「上だ!上にもう1機いるぞ!」

「このやろ!」

「待ってろ、今追い払ってやる」

「くそっ、ケツに付かれた」

「振り切れ!」

「ダメだ、振り切れねえ」

「がんばれ、もう少しだ」

「早く!早く来てくれ!」

「右だ!右へ捻ってダイブしろ!」

「うわ!ミサイルが…」

「逃げろ!ランディ!」

「助けてくれ!うわああああああああ!ボンッ……バリバリッザザザザザザブツッ……」

 大きな爆発と共に炎と黒煙の塊が落下していく。

「ランディー!…畜生っ!!」

 無線だけでもどうなったのか想像するのは容易い。

「クッソォ!ランディ、仇は俺がとってやるぜ!」

 マサトは編隊から離脱するとアフターバーナーに点火して戦闘空域に突っ込んで行く。

「待て!熱くなるな!単機じゃ危険だぞ!ええい、ままよ、野郎ども!マサトに続け!ランディの花道をしっかり飾ってやろうぜ!」

「「「了解」」」

 スロットルをMAXに叩き込みアフターバーナーに点火する。

「血祭りに上げてやる!」

 ブルーセクションも負けじと敵機を追いまわす。

 2機を撃墜してレーダーを確認する。

 周囲を確認すると、上空で何かが光った。

 目を凝らすと5本の飛行機雲が捻れて降下してくる。

「戦闘中の全機へ!新手だ!方位050!イエローセクションは迎撃に向う!ブルーセクションは俺たちに構わず先に行け!」

 編隊を組み直してフルバーナーで上昇する。

「正面から一撃後は各機自由戦闘!増槽は落とすなよ!」

 すれ違い座間にマークを確認する。

 赤い星、ロシア空軍だ。

「誇り高きロシア軍か、お手並み拝見と行くぜ」

 散開すると敵機を追う。

 戦闘は15分弱で終了した。

「編隊全機!損害を報告せよ!」

「3番機のジャックだ、右翼の油圧系に弾食ってる、エルロンが動かん」

「まあ、基地までは持つだろ、だましだまし行くしかないな」

 20分ほどで基地が見えてくる。

「見えた、ジャック!降りられるか?」

「だめだ、右の主脚が下りない」

「わかった、ジャック以外は先に降りろ」

 次々と着陸して滑走路を空ける。

「場所は空けたぜ、しっかり降りろよ」

「へっ、胴体着陸なんざ慣れっこよ」

 着陸灯を点けてF-4E ファントムが降下してくる。

 スムーズに接地すると増槽をソリにして滑っていく。

「コントロール、回収頼むぜ、まだ使えるから捨てるなよ!」

 パイロットがキャノピーを開けて降りてくる。

 続々と他の傭兵達も遣って来る。

 ブリーフィングルームに集められて一通りの説明を受ける。

 その後、宿舎へ向う。

「結構綺麗じゃないか」

 マサトは廊下を眺めている。

「別に関係ないさ」

 自分の部屋を見つけて中に入る。

 防寒設備は整っておりパイロットスーツを着ていると汗がにじむ。

 先に送った荷物から工具箱を取り出す。

 防寒着を着てハンガーに向う。

 空はどんよりと曇っている。

 少し開いた扉から中に入る。

 工具箱を開いて整備に使う工具を取り出す。

 テスターで電装系のチェックをする。

「こっちは…よし、こっちも…よし、もうそろそろオーバーホールしなきゃやばいよなぁ」

 ブツブツと呟きながら作業を進める。

 3時間ほど整備に費やすと気分転換にハンガーの外に出る。

 空は暗くなって星が出ていた。

「これでしばらくは誤魔化せるだろ」

 軽く伸びをしながら歩く。

 暗くなってから気が付いた、ここが自分の育った場所だという事に。

「まさか、またここに来るとはな…」

 突如、上空を轟音が2つ飛び抜ける。

「うわっ!な、何だ?」

 姿は見えないが音はゆっくりと旋回しているようだ。

 闇の中に標識灯が浮かび上がる。

 そして、着陸灯をつけて降下してくる。

 機体色がつや消し黒なので形はわからない。

 タクシーウェイの照明でようやく正体がわかる。

「MIG-23 フロッガーか、珍しいな」

 可変翼を持つ、ロシアの戦闘機である。

 識別番号や、マークは一切付いていない。

 今回集められた傭兵には特殊なIFFが搭載されているので差し当たって問題は無い。

 ハンガーの方から一人の老人が歩いてくる。

「お、マッコイじいさんじゃねえか」

 知る人ぞ知る武器商人のマッコイだ。

 トイレットペーパーから原子力空母まで何でも取り扱っている。

「よう、お前さんも物好きだね」

「あんたに言われたくは無いね、それはそうとあのフロッガーは新顔か?見たこと無いぞあんなの」

 傭兵が使う武器や日用品は全てマッコイが仕入れているので大体の情報は知っている。

「ああ、あれは夜間偵察部隊だ。昼間は動かねえから、会う事も無かっただろ、ちなみにあの機体はロシアの試作機だ」

「試作機?」

「元々、戦闘機だったが、密かに偵察型が設計されてたんだ、結局、中止になって捨てちまったらしい。それを拾ってきて、システムは現行のものにそっくり乗せ換えた」

「ご苦労なこった」

「ちなみに、パイロットは女だ」

「興味ないね」

「そう言うと思ったよ」

 リョウは軽く手を上げるとハンガーに戻る。


第3話に続く

どうも、ハクテンです。

もう一度断っておきます。この作品に登場する人物、事象、その他名称は実在する物とは何の関係も有りません。聞いたことある名前でも特に気にしないでください。誰がなんと言おうとマッコイはあくまでこの作品のマッコイですw

そういう事で、今後とも宜しく。

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