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第1話 傭兵

 この作品に登場する全ての人物、事象、国名、その他名称は実在の物とは何の関係もありません。実際に戦闘機に乗るときはヘルメットを着用しシートベルトを確実に締め、国際法と航空法を遵守して安全操縦を心掛けましょう。(警告タグは本人の主観で今回は付けてないので悪しからず)

風で舞う砂塵の如く


第1話

「ラトビアに飛べだ?」

 急な異動に驚く。

「ああ、上層部からの命令だそうだ」

「で、いくらだ?」

 傭兵は金で動く。自分の技量と作戦の危険度を比較した上で参加する。

 ここはフランス、北部のとあるフランス空軍の航空基地。

 フランス空軍外人部隊の拠点だ。

「向こうで稼げだってよ」

「ふざけんな!そんなんで仕事になるかよ、移動もタダじゃないんだぜ?」

「行けばターゲットの賞金は1.5倍、それかクビのどちらかだ」

「けっ無茶苦茶だな」

 ロシアが東欧諸国への侵攻を開始した。

 旧ソ連を支持する連中が予算削減に喘いでいたロシア軍と協同でクーデターを起こしたのだ。

 真っ先に戦火が及んだのがラトビアだ。

 当然、EU加盟国はこぞって軍を派遣、加盟国の支援と銘打って火薬と命のバーゲンセールを実施した。

 そこに世界の警察、アメリカまで出しゃ張って来るのだからさながら第3次世界大戦だ。

 戦火はリトアニア、ベラルーシを巻き込みウクライナまで広がろうとしている。

「クビは困るな、行くしかない、か…」

 契約書にサインをする。

「補給と整備、ハンガーに関しては今まで通りだ」

「お前は行くのか?」

「俺もクビは困るからな、向こうでガッポリ稼いでやる」

 翌日、装備を整えて荷物を持つとハンガーに向う。

 頭上を戦闘機が通過する。

「すげえ数だな」

「全員ラトビア行きだそうだ」

 一緒に歩いているマサトも空を見上げている。

「やれやれ、向こうも賑やかになりそうだな」

 リョウはふと昔の事を思い出す。

「そういえば、俺は昔ラトビアに居たんだ」

「何でまた?」

「フランスを家族で旅行してた時に両親が事故で死んじまった」

「で、何でフランスからラトビアに?」

「身寄りも無く、一人で途方に暮れてたところを日本人の傭兵に拾われたんだ、リュウイチって奴だった。そいつと一緒に飛んだんだ」

「じゃあ、また会えるな」

「リュウイチは俺が11の時に撃墜されて戦死した」

「…そうか」

 マサトの顔から微笑が消える。

 ハンガーに着くとタラップを上り操縦席に座る。

 F-20A タイガーシャーク、ホーネットと同型のエンジンを一基搭載し機首には20mm機関砲を2門装備する軽戦闘機。

「電源車オン!コンプレッサー始動!」

 タービンの回転数が上がり始める。

「内圧上昇、……80……90……グリーンゾーン、イグニッション!」

 燃料を噴き出して点火する、回転数が一気に上がる。

「エンジン始動完了!出るぞ!」

 隣のハンガーからはF/A-18Cホーネットが顔を出す。

 さっき話しかけてきた同期のマサトの機だ。

 左に回頭してタクシーウエイに向う。

「イエローリーダーよりコントロール、イエローセクション全機発進準備完了、ランウエイ080へのランディングの許可を要請する」

「コントロール了解、タクシーウエイD-003からF-013を使用しランウエイ080へ向え、今日は許可を取るんだな、珍しい事もあるもんだ」

「イエローリーダー了解、復唱を一部省略しランウエイ080に向う。しばらく会えないから最後に声だけでも聞かせてやろうと思ってな」

「うるさいのが居なくなって清々するよ」

「ちげえねえ」

 イエローセクションは全部で5機、機数はしょっちゅう変わるが大体いつものメンバーは5機だ。

「マサト、フォーメーションはいつも通りだ」

「了解、バラバラがフォーメーションなんて言えるのか?」」

 滑走路に進入して離陸位置に着く。

「イエローリーダーからコントロール、離陸位置に着いた、許可を求む」

「コントロールよりイエローリーダー、離陸を許可する。グッドラック!」

「イエローリーダー了解、イエローセクション発進する、野郎ども!自分ん家の玄関ですっ転ぶなよ!」

 アフターバナーに点火して、加速する。

 機首を上げるとふわりと浮かぶ。

「イエローリーダーより全機へ、高度1万5千をホールド、周囲への警戒を怠るな」

 彼らの戦闘機は全て個人の所有物である。

 なので、フランス製の航空機を使う必要は一切ない。

 外人部隊では比較的部品を入手しやすく価格の安いアメリカやロシアの戦闘機が多く使われている。

 確かに、ヨーロッパ製の戦闘機を使う者もいない訳ではないが中古が出回らないので部品流用が効いて低価格な戦闘機の方が好まれる。

 アメリカやロシアの戦闘機はソ連崩壊、冷戦、湾岸戦争、ベトナム戦争で使われた機体が中古で腐るほど出回っている。

 しばらく飛んでいると編隊の一機が機影を捉えた。

「レーダーに機影を捕捉、機数5、高度1万にブルーセクションだ」

 下のほうに黒い点が5つ飛んでいる。

「もう5機捕捉!IFF応答なし、方位010、会敵まで3分!」

 空対空レンジをオンにして武装の安全装置を解除する。

「ブルーの連中気付いてるかな」

「さあな、でも大丈夫だろ」

 敵との距離はどんどん縮まる。

「ブルーセクション、会敵」

 その声と一緒にブルーセクションの声も混ざる。

「敵機、ミサイル発射!」

「慌てるな真正面じゃどうせ当たらん」

「距離1500!」

「正面から一撃後は各機自由戦闘!エンゲージ!」

「「「ヤー!」」」



第1話 完 次回へ続く

どうも、作者のハクテンです。一応これが処女作です、ハイ。

コンセプトは『己の手が動くままに』です。

感想、誤植、ツッコミ等ありましたらメッセージください。

結構軽いノリで投稿しているのでダメ出しは優しくお願いします。

あ、誹謗中傷もノーサンキューで宜しく。



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