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青い稲妻  作者: 北村美琴
第2部イリア編
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蘇った記憶

「サセナイ!」


 DEX は飛んで来たエネルギーの塊に、自らのビームを当てて打ち消した。

 が、衝突の際の煙でマヤ達の姿が隠れていた隙に、車から走っていたマグがすぐ近くまで近づいていた。


「ム」


 気配を感じ横を見る。

 ビームサーベルだ。

 マグに脇を斬られる。

 さらに正面を向いた瞬間に胸を貫かれようとした。


「オ、前ッ」


 触手でマグの腕を掴み後ろに投げる。

 その間に回復を。

 している暇が無かった。


 ズダン。


 エネルギー砲第二段。

 命中。

 後ろに投げ飛ばされたマグも無事に着地していた。

 倒れたDEX を眺める。


「や、やったんですか……?」


 圭一、中島が確認しようと一歩足を踏み出す。


 ピッ。


 DEX の反応。

 コンピューターの画面を見ていたバリーが止めた。


「圭一君、中島君、待って!」


 二本だけだった触手が分裂して襲って来た。

 地面を這ってる。


「……く」


 避けられない。

 触手は圭一、中島、マヤ、メドゥー、フィールズ博士、ジンの足に絡みつく。


「皆サンヲ、放シナサイ!」


 そう言ってクローンがDEX に殴りかかろうとするが、それより早く起き上がったDEX により、圭一達は逆さ吊りにされた。


「……!!」


 マヤの着ていたワンピースの裾が……。

 だが、それも一瞬の事。

 確認する間も無くみんなは投げられた。


「マヤちゃん! 兄さん!」


 マグの叫びも空しく、受け身が取れなかったみんなはしたたかに地面に身体を打ちつけた。


「博士っ! 大丈夫ですか!?」


 レジスタンスの仲間達が助け起こしに来る。

 それを見越していたか。

 博士達に手を貸そうとしたその刹那、


 ビ---。


 DEX の目から光線が発射された。

 足下に穴は?

 開かない。

 開かないけどめくれた土とともにひっくり返された。


「……いてて」

「圭一サン。中島サン。皆サン。無事デスカ?」

「……うん、何とか。ちょっと擦りむいたみたいだけど」

「私も、大丈夫よ」

「俺もだ。でも、圭一君達に怪我をさせちゃったな」

「あ、平気ですメドゥーさん。これくらい」

「けど、あっちは……」


 そう呟いてジンは車の中のバリーを見た。

 バリーは、怒ってる。


「よくも、みんなを……。許さないぞ……!」


 タブレットを持つ手を震えさせながら、その目は怒りで燃えている。


「あちゃあ。バリーがあんなに怒るのって、あまり無いべ」

「でも、普段大人しい人が怒ると、怖いって言うからな。バリーも例に漏れず……」

「……ヤリマスヨ。アレハ」

「ジンさん、メドゥーさん、クローン。何怖い事言ってるんですか!?」


 中島が腕を胸の辺りでクロスさせ、ひきつった顔で聞いた。


「あ~中島君。バリーのあんな顔見るの初めてだべ」

「そ、そりゃあ、出会ったばかりですから……」

「なら見てみるといいべ。バリーの本気を」

「バリーだけじゃない。俺の弟もだ」

「え?」


 メドゥーがマグの方にも顔を向ける。

 に怒りの色が滲んで、険しい顔つきをしている。

 グッと上下の歯を噛み締めているのが、その表情から読み取れた。


「……マグ」


 バリーが静かに言う。


「弱点が分かった。背中だ。背中の真ん中を斬れ!」

「了解!」


 マグがDEX に近づく。


「ヤラセン!」


 マグに背中を斬られないようにと、DEX が正面を向く。

 ビームか。

 が、


「DEX 、隙ありだぞ」


 後ろにはバリーが光線銃を携えて撃つ構えに入っていた。


「ナ……」


 バリーは銃を構えたままゆっくり車から降り、DEX の方へ歩いて来る。

 DEX は前と後ろを交互に見てキョロキョロした。

 挟まれた。

 焦っている。

 正面にはマグ。

 後ろにはバリー。

 逃げられないか。


「ダガ、コッチハドウダ?」


 横か。

 挟み撃ちになる前に、左にサッと進路を変えた。

 しかし、そこには……。


「お忘れか? DEX 」

「シマッタ……」


 投げたばかりの博士達が居た。


「クッ」

「逃がさんぞ、DEX !」


 バリーの助言通り、マグはビームサーベルでDEX の背中の真ん中を斬った。


「グハッ!」

「そこだ! 奥に見える赤いコードを引っこ抜け!」

「ええ!」


 手を伸ばす。

 斬った際に開いた傷跡の中に、ペンチを入れようとして。


「サセン、ゾ」


 最後の抵抗か。

 振り向いて触手で攻撃しようとする。

 メドゥー、ジン。圭一、マヤが触手を押さえた。


「兄さん! マヤちゃん!」

「マグ、構うな! お前は集中してコードを抜け!」

「お願いね、マグ」

「り、了解!」


 ペンチを中に……。

 DEX が暴れる。


「こ、こら。暴れちゃ駄目だべ。大人しくするべ」

「スル訳ナイダロウ。オ前達コソ離セ!」

「いや、離さんぞ」


 フィールズ博士と中島、レジスタンスの他の仲間達もDEX の動きを封じるのに参加してくれた。

 みんなで触手だけじゃなくボディも押さえる。


「ムム、離セ! 離スンダ!」


 バリーはマグの側で穴にペンチを通すのを助太刀している。


「バリー、他のコードがあって、赤いコードまで届きません」

「ん。ならこのコードは僕が……。よし、これで届くかい?」

「はい」


 バリーはピンセットで邪魔をしていた黄色いコードを掴んでどかした。


「バリー。掴みました」

「よし。一気に引っこ抜いて」

「OK。ん、力が……」

「止メロ!」


 マグが力を込めコードを抜こうとした時、DEX の目が光った。


「マグサン!」

「ん~~! おいっしょ~っ!」


 ズポッ。


 赤いコードが抜けた。

 DEX は光線を撃つ直前で、動きが停止する。

 みんなは離れた。


「ま、間に合った……」


 圭一は安堵する。

 他のみんなも胸を撫で下ろした。


「やったべ、メド」

「ああ、ジン」

「博士、後はどうするんです?」

「そうだなマヤ。後は……。むっ」


 煙……。

 DEX の身体ボディから、煙が出ている。

 瞬く間にそれはDEX 全体を包んだ。

 まさか、爆発するのか?

 と思ったら煙が消え、代わりに出て来たのは……。


「私、は……」


 DEX の目の光の中に浮かんだ、誰かの映像だった。









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