二度目の対戦
圭一と中島がDEX と対峙するのは本日二度目。
一度目の時はマヤを救出する為、無我夢中で立ち向かっていた。
それこそ相手の強さも何も分からないまま。
会議でメドゥー達に大体の事は聞いてはいたけれど、口で言われるより実際にこうして戦って見た方が強さも実感出来る。
神殿で奴の触手に捕まっていた時、圭一はゾクッとするような怖さと共に、この触手からいかに抜け出せるかを考えていた。
親友の中島が圭一までさらわれた不安と、それでも何が何でも二人を助け出すという思いを抱えていたように。
だから今は慎重になっている。
慎重というより冷静に。
それは博士達も同じ。
突っ込んでは駄目だ。
触手が来るか光線が来るか、それとも別の攻撃が来るか。
見極めるつもりで。
ピタッ。
あれ?
近づいているはずのDEX が止まった。
また様子見か。
「フッフッフ」
急に笑い出す。
「マサカココマデ抵抗スルト八、サスガト言ッテオコウ」
その言い方、どことなく嫌な感じだ。
「穴二落トシテモ上ガッテ来ル。炎デ包マレテモ生還スル。初メテダゾ。オ前達八。私ガ今マデ戦ッタ中デモ、コンナ二シツコイノ八」
「この星の為、わたし達は、お前を倒さないといけないからだ」
「フィールズ。オ前ノ事八知ッテイル。科学ヲヤッテイル者トシテ、私ヲ倒ス意味八アルノカ?」
「確かに、お前ほどのメカならば、どういう風に造られたのかじっくり研究をしてみたい。が、この星を守る為だ」
「ソレ八エゴデ八ナイノカ? 科学ヲ作ッタノモ、オ前達人間ダ」
「そうだ。科学を作り、生活に取り入れて来たのも人間だ。だから見極めなくてはならない」
「ソレ八オ前達ノ理屈二過ギナイ。ソンナ物デ、悪カ正義カ、不要カ必要カ決メラレテタマルカ。ソレ二従エバ、私ノ個ガ失ワレテシマウ」
「だが、お前は大量破壊兵器として生まれた」
「……」
「お前の言う事も最もだ。しかしそれに抗わねば、わたし達は生きてはいけない。お前の『個』それも大事だ。大事だが、わたし達にもやる事がある」
「ソウカ」
DEX は何か考える様に黙る。
「オ前達ガ、『生』ヲ望ムノナラ、私モ同ジク『生』ヲ望モウ。私ガ、生キル為二」
「……そうか」
「行クゾ」
話し合いは平行線。
交わらず、分かり合えない虚しさ。
そこに妥協は無い。
「DEX ……」
圭一が悲しげに呟いた。
こんな風に生まれて来なければ、別の道があったかもしれない。
もしかしたら、対立しない未来さえも。
「圭一サン!」
DEX が方向を急に変え、圭一の方に向かって来た。
クローンが立ち塞がる。
「オ前モ、メカナノ二、何故、邪魔ヲスル。何故、アノ娘ト、同ジ顔ヲシテイル」
触手をクローンに掴まれながらDEX が問う。
「オ前モ、人間二、利用サレテイルダケダ」
「ソレデモ、私八私トシテ生キテイマス。私ノ意思八、ココ二アリマス」
「私トテ同ジダ。私トシテ生ヲ受ケタ以上、私トシテ生キル!」
DEX の目が光った。
こんな近くで光線を撃たれたら。
「させるかよ!」
中島がクローンを守るように、手にしていた光線銃を撃った。
DEX には少し身体をひねるだけでかわされてしまったが、それでも中島の闘志は消えない。
「モウ一人ノ、〈選バレシ者〉ヨ。何故邪魔ヲスル。オ前ヲ呼ンダノ八、アノ娘ノ八ズダロウ。コノ者八、娘ト同ジ顔ヲシテイルノ二過ギナイ」
「知るかよそんな事。クローンが何故マヤちゃんと同じ顔をしているかなんて、俺には関係ない」
「地球カラ来タオ前ガ、コノ惑星ノ為二戦ウノ八変ジャナイノカ? モウ一人ノ、〈選バレシ者〉ヨ」
「助けを求められたから応えた。それだけだ。地球人か惑星イリアの人間かなんてどうでもいい。そんな事にこだわっている方が変だ。それに何だよ。もう一人の選ばれし者って。俺の名前は中島高志だ。ちゃんと名前で呼べ!」
「……中島高志カ。覚エテオコウ」
「ちなみに僕は、横野圭一だ」
おおっと、圭一も負けじと張り合った。
DEX はクローンの手を振りほどく。
「横野、圭一。選バレシ者ダナ。ヨカロウ。オ前達八、私ガ倒ス」
「いいぜ、来いよ!」
もう一度光線銃を発射。
DEX の顔をかすめる。
「効カナイ」
中島はDEX の触手で、持っていた光線銃を叩き落とされた。
そのまま腕を掴まれる。
「中島サン!」
クローンの叫びも虚しく、中島は空高く放り投げられた。
「わっ」
何処に落ちるか。
メドゥーが中島の落下地点に滑り込む。
ナイスキャッチ。
メドゥーは体を張って中島を助けた。
「な、中島……君。大丈夫か?」
「は、はい。メドゥーさん。済みません」
メドゥーのお腹の上に乗っていた中島は、恥ずかしそうにバッと離れた。
飛び込んだ勢いで、メドゥーは背中を擦ってしまったよう。
「メドゥーさん、大丈夫?」
「ああ。マヤ。サンキューな」
「私の肩に……」
マヤは自分の肩を貸してメドゥーを運ぼうとした。
そこをDEX に狙われる。
バシッ。
触手で鞭の様にはたかれた。
二人は地面に転ぶ。
「マヤ、メドゥーさん!」
圭一が光線銃を撃った。
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