バリー達のピンチその2
「……く」
マヤ、圭一、中島は厳しい顔で小屋から目を移し後ろを振り向いた。
メドゥーやジンがバリー達を救おうと頑張っているのに、自分達が絶望している訳にはいかない。
そう、まだ、終わっていないから。
バリー達は死んではいない。
その為にも、DEX 達を足止めしなきゃ。
ホースで水を必死に掛けているメドゥーの邪魔はさせない。
ジンと博士は再び車を動かし、他に水場がないか探しに行った。
私達は……、
ザッ。
ロボットが動く。
DEX は構えを解きその場で様子見らしい。
だがあのDEX の事だ。
隙を見て突然襲って来る場合もあり得る。
そうなる前に、
「やらせないわ!」
マヤ達より早く、レジスタンスの女性の仲間が走った。
彼女は一体のロボットに向かって行く。
ロボットが指を伸ばした。
ビームの構え。
女性はビームを避け、横に逃げる。
そのままロボットの腕を捕まえた。
胸の赤い急所に向かってナイフ。
これで一体。
ロボットはバラけた。
DEX が触手の指をパチンと鳴らす。
ロボットの群れが、続々と現れた。
「圭一君、中島君、マヤ、みんな!」
メドゥーがその状況に焦った声を出す。
仲間達がDEX やロボットと相対しているのに、自分がこんな所で水を掛けていていいのか。
仲間と共に戦うべきじゃないか。
だが仲間はそんなメドゥーの焦りを見越してか、冷静に諭した。
「メド。ここは大丈夫。ボク達に任せて、あなたはバリー達を助ける事に集中して」
「でも……」
「さっきあなたは何て言った? 弟が中に居るんだろう。なら、今のあなたの仕事は、大事な者を助ける事だ!」
「す、済まない」
仲間は笑う。
小屋の炎はまだくすぶっている。
本当に消えるのか。
いや、ここで弱気になっちゃ駄目だな。
相変わらずDEX は動かない。
ロボット達はじわじわと距離を詰めて来た。
「圭一さん、中島さん」
先程メドゥーに話しかけたレジスタンスの一人が、今度は圭一達に向かって言う。
「はい。何でしょう?」
「あなた方も神殿での戦いで疲れているはずです。なるべくそこに居て、マヤを守ってあげて下さい」
「……え?」
「〈選ばれし者達〉であるあなた方に無茶をさせる訳にいきません。それに、ボク達も活躍したいんです。一応、レジスタンスを名乗ってますから」
気遣い、だけでなく本音も交じっていたような。
彼はロボットの群れに向かって突っ込む。
それを見た他の仲間達も続いた。
「とうっ」
「たあっ」
流れる様な攻防が展開される。
ビームを避け、蹴りを放ち、かわされパンチを受けるが、別の仲間がフォローして倒す。
こちらでは華麗なる投げ技でロボットを投げ、落ちた所を狙ってトドメ。
チームワークでロボットの数が減って来てると思ったら、
「危ない! DEX が!」
マヤの叫び。
DEX が光線を撃った。
ズドン。
マヤ達の目の前で仲間達が穴に沈む。
ロボット達まで巻き込まれた。
が、マヤ達が落とされた様な深い穴ではない。
横に広い、けど一メートルくらいの高さはあるか。
ロボットの一体の胸の核に光線が跳ねたみたいで、哀れにも壊された。
味方まで巻き添えにするなんて。
「みんな!」
穴に落とされた仲間を救出しようとマヤ達が動く。
だが仲間の女性が言った。
「来ないで!」
DEX の光線第二段が発射されようとしている。
その姿を見て、一瞬マヤは戸惑った。
ビー。
女性が撃たれ、たと思った。
「何?」
DEX の驚きの声。
女性を狙った光線は、手鏡によって分解された。
ビームを吸収する手鏡。
マヤと同じ物を、彼女も持っていたのだ。
ザッ。
女性の近くに居たロボットが手鏡を奪い取ろうと手を伸ばす。
それを察した彼女は、咄嗟に手鏡の鏡の部分に持ち替え、手鏡の持ち手の先でロボットの核を貫いた。
残りはあと十体は居るか。
穴の中じゃ上手く戦いにくい。
上に上がらないと。
「みんな、こっち!」
DEX が攻撃しない隙を見て、圭一とマヤが近づいて来ていた。
彼女達の協力もあり、穴を登るのを邪魔して暴れるロボット達を何とか八体まで減らす。
二体は既に上に上がっていた。
「許サンゾ」
二体のロボットの間にDEX が立つ。
一人残された仲間を助けようと腕を伸ばす圭一に向かって光線が放たれようとした。
「させるかよ!」
中島がスプレー缶を蹴り飛ばした。
DEX のほんの手前でスプレー缶に光線が当たり爆発。
DEX とロボットはダメージを受ける。
そこへ博士達の声。
「お~い、水を汲んで来たぞ~」
車が停車する。
火の手が残る小屋の屋根にカプセルをポンと投げた。
カプセルが割れ、大量の水が流れる。
炎が、ようやく消えた。
「牧場の西に池があって、その水を拝借したんだべ」
ジンの説明にメドが胸を押さえる。
「良かった……」
炭となった小屋の木の一部が、ポトッと落ちた。
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