表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青い稲妻  作者: 北村美琴
第2部イリア編
70/153

DEX の怒りその2

 ジイイ。


 DEX は部屋の真ん中で修理を受けているクローンを見ると、迷わず標準を合わせた。


「クローンと博士達を守るんだべ、中島君!」

「はい! ジンさん」


 ジンと中島が構えていたビームガンを発射する。


 パパパパパパ……ッ。


 銃から放たれる細い光線ビームが、DEX の身体ボディに幾つもの穴を開けていく。

 が、その傷さえも、


 スウウ。


 すぐに塞がって行く。

 それを見たメドゥーは目を見開いた。


「まさか、ナノマシンか……?」


 エネルギー砲で開けた大穴まで塞がっている。

 扉の前でDEX がなかなか入って来ないと思っていたら、ナノマシンの力で傷が塞がるのを待っていたのか。

 細かい粒子。

 その一つ一つの力で、傷を再生させる。

 クローンがビームサーベルで斬ったはずの触手まで再生していた。


「コレハ、予備ノ触手ダ。核ガ壊サレタ場合ノナ」


 そう言ってDEX は部屋に入って来る。


「させないべ!」


 ビームガンが効かないのならと、ジンがエネルギー砲を肩に担いだ時、


「邪魔ダ!」


 DEX が振り向いた。

 そしてジンと中島の足元にビームを発射する。


 ズキュン。


「わっ」


 二人はかろうじてその攻撃を避けた。

 だがまだ攻撃は続く。


「邪魔スル者ハ、誰デアロウトモ、殺ス」


 DEX は辺り構わず光線を乱射し始めた。


 ズババババババ。

 ドカン、ドカン。


 床や天井、壁や窓、至るところが破壊されていく。

 大小さまざまな破片が降り注いで来て、フィールズ博士やバリーもクローンの修理どころではない。

 圭一やマヤと一緒にクローンを抱いて、辺りを逃げ回っていた。


「このままでは危険だ。神殿が崩れるかもしれん。みんな、外に向かって走ろう!」


 フィールズ博士の言葉に、みんなが頷く。

 神殿出口を目指して駆け出した。

 大きな音がしたので、マグ他外で待機しているレジスタンスの仲間達は、何かあったのかと心配していた。

 そこにフィールズ博士が飛び出して来る。

 次に圭一とマヤ、バリー、ジン、中島と続いて、最後にクローンを抱えたメドゥーが走って来た。


「兄さん!」

「マグ! すぐにDEX が来る。例の物を!」

「了解!」


 神殿の回りが、スポットライトみたいな物で囲まれている。

 待機していた仲間達が、神殿入り口に現れたDEX ごと、神殿にその光を浴びせた。

 DEX の動きが止まる。


「こ、これは?」


 圭一がメドゥーに尋ねた。


「この特殊な光で、DEX の動きを止めたんだ。見えない超音波が出てる。その音で、DEX は動けなくなる」

「す、凄い……」

「それだけじゃないよ」


 メドゥーの視線がマグに送られると、マグはあるスイッチを押した。

 その瞬間轟音と共に神殿が揺れた。


「ま、まさか……」

「そう。爆弾だ。DEX を神殿ごと葬るよう、マグ達に準備してもらっていた。これでよろしかったんですよね? 博士」

「うむ」


 悲しげに進展を見つめながら、博士は言った。


「……この神殿は、もともと我が王が好まれていた場所だ。それが暴走したマッドサイエンティスト達に奪われ、利用され、DEX まで生み出された。ならばいっそのこと、壊してしまった方がいい。これはもはや、あの方が愛された神殿ではない」

「博士……」

「……お別れだ」


 神殿は大きな破片を撒き散らしながら崩れ、傾いて行く。

 中に居るDEX がどうなったかまでは見えない。

 煙と炎が凄いのだ。

 圭一達は車の所まで下がって来ていた。

 神殿に近づけばいいのに、離れた場所に車を停めるな~、と思っていたら、こういう事だったのか。

 車のシートに寝かされたクローンは、バリーによって修理されていた。

 博士は目を閉じる。

 静かに祈っているようだ。


「あ……」


 マヤが指を指した。

 煙が消えかかり、うっすらと見えて来た神殿の残骸の中。

 動く物がある。

 〈奴〉だ。

 無事、とは言えないが、奴はまだ生存していた。

 あれだけの爆発に巻き込まれて。

 科学者達がDEX に施したナノマシンの技術が勝った事になる。

 奴に直接爆弾をつけられなかった事が響いたか。

 実際、そんな余裕など無かったが。

 爆発で受けたと思われる傷。

 徐々に塞がって行く。

 DEX がこちらを見た。


「……っ」


 目が光る。

 圭一達の背中に、ゾクッと寒い物が走った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ