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青い稲妻  作者: 北村美琴
第2部イリア編
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基地からの迎え

「はあ、はあ、はあ」


 圭一は息を切らせて川に架かる橋のたもとに座り込んだ。

 クローンと会話をして、再び歩き出そうとした時、運悪く空を飛んでいた敵の車が、レジスタンスのアジトに向かっている二人を見つけたのだ。

 そいつは雲の隙間から突然現れた。

 偵察していたかの様に。

 そして車の底がパカッと開き、銃弾を乱射した。


 ズダダダダダダン。


 クローンが圭一を庇いながら走る。

 隠れられそうな太い木の側に来た。

 クローンは圭一と木の後ろに隠れる。


「大丈夫デスカ? 圭一サン」

「うん。何とか。まだドキドキしてるよ」

「イキナリノ攻撃デシタカラ。デハ、アナタハココ二隠レテイテ下サイ。私ガ、囮二」

「ちょっ、待ってよクローン」


 圭一の制止を聞かず、クローンは飛び出す。

 当然、敵の車の標的になった。


 ズッ、ダダダダン。


 銃弾の雨。

 クローンは転がりながら避ける。

 圭一が隠れている木の幹にも当たり、圭一は出るに出られない。


「くっ、クローン!」


 怯えながらチラッと顔だけ出し様子を伺う。

 クローンは追い詰められていた。

 車が低い位置に下がって来ている。

 クローンに弾が当たらないからか。


 チャッ。


 二本の銃が立っているクローンに狙いを定める。

 圭一は木の側に落ちていた枝を投げた。

 車のボディに当たる。

 その瞬間、


 ビッ。


 クローンがレーザーガンを発射した。

 敵の車は落下し、川の中で爆発する。

 圭一が近づいた。


「クローン!」

「圭一サン。礼ヲ言イマス。アリガトウゴザイマシタ。助カリマシタ」


 クローンによれば車は無人で、コンピューターが操縦していたという。

 いきなりの戦闘。

 とにかく助かった。

 クローンは他にも敵が待ち伏せていないか確認しながら、圭一を橋の近くに誘導する。

 他に敵が居ない事に安心したのか、圭一は座り込んでしまったのだ。


「少シ落チツキマショウ。私モ基地ノ方二連絡ヲ取ッテミマスネ。ア……、ソノ必要ハ無イカモシレマセン」

「?」


 ブーン。


 車の音がする。

 橋の上を車が通り、こっちに向かって来ていた。


「……!」


 緊張が走る圭一だが、窓から手を振る人物の姿を見た時は、自然と笑顔になっていた。


「圭一~、お~い」


 中島だ。

 運転席にはサングラスを掛けた男性。

 車は橋を渡り終え、圭一達の側に停まる。


「中島!」

「圭一、無事だったか!」


 惑星イリアに来てから離れ離れになっていた親友同士がハグをする。


「良かった~。中島に会えて」

「俺もさ~。お前達が襲われてるかもしれないって、博士達が言っていたから焦って。無事で安心したよ~」

「マア。博士二オ会イ二ナッタノデスカ?」

「ああ、レジスタンスの基地で。目が覚めたらいきなり基地の中でさ。たくさんの人に囲まれて、何かされるかと思ったぜ」

「済ミマセン」

「おたく、クローンだっけ? 本当、マヤちゃんそっくりだな」

「エエ。ソノ様二造ラレマシタカラ」

「そっか。圭一が世話んなったな」

「礼ヲ言ウノハコッチデス。来テ下サッテアリガトウゴザイマス。中島サン」

「へへ。どう致しまして。……まあ、誰かさんに連れて来られたんだけどな」


 最後は声が小さくなっている。

 クローンはそれを聞き逃さなかった。


「ハイ。連レテ来タノハ私デス」

「き、聞こえた?」

「ハイ。耳ハ良インデス。ソウイウ風二造ラレマシタカラ。シカシ先程ノ敵ノ車ハ、気付キマセンデシタ。ドウヤラステルスヲ使ワレタ様デスネ」

「ステルス?」

「ハイ圭一サン。レーダーナド二囚ワレ二ククスル技術デス。居場所ガ把握出来ナイノデ、コチラトシテハ突然現レタ様二感ジマス」

「それでクローンも分からなかったんだね」


 そこまで話した所で、運転席の男性が言う。


「感動の再会の所済みませんが、迎えに来たので、車に乗って頂きたいのですが。よろしいですか?」

「あっ、はい。ありがとうございます」


 圭一とクローンは車の後ろの席に乗せてもらった。

 助手席の中島が言う。


「おい圭一。この車空飛ぶんだぜ。浮かぶ時体がフワッとして、ちょっと変な感じになるけど。飛行機乗ってるみたいでさ。まあ、飛行機乗った事無いけど」

「おいおい」

「それでは、飛ばしましょうか。ベルトして下さいね」


 男性がアクセルを踏み込む。

 スピードが上がる。

 ハンドル脇のボタンを押した。


 グワン。


 翼が生える。

 車が浮かんだ。


「わっ」

「掴まっていて下さいね。行きますよ」


 橋を飛び越え、車は空を進んだ。














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