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青い稲妻  作者: 北村美琴
第1部地球編
22/152

波間にてその2

 圭一と中島とマヤが波打ち際ではしゃぐ。

 スカート履いてた時から分かってたんだけど、マヤって足が長い。

 水着になると、なおさらそれが際立つ。

 だからこんなにドキドキするんだ。

 さっきのドッキリのせいだけじゃない。

 まあ、はっきり言って、ちょっと期待してた部分もあったけど。

 それだけ魅力的な女の子だって事だ。


「何だ、圭一。鼻の下伸びてんぞ」


 圭一の顔をチラッと見た中島に指摘される。


「えっ、ええっ。そんなに?」

「ああ。って、嘘だよ。そんなに目立たない。だけどマヤちゃんに見とれてたって事は、妙な事考えてたんだろ?」

「は? ち、違うよ」


 図星。

 図星だけどズバッと言われると、否定したくなっちゃう。


「ホントか? あ、マヤちゃんのお尻がチラリと」

「ええっ? ど、どこ?」


 マヤは背中を向けて砂の上に座っている。

 どうやら圭一の母親と話している様だ。

 中島はニタニタ笑っていた。


「な、中島。からかったな」

「くくく。圭一、面白っ」

「ねえ、二人とも」


 マヤが立ち上がり、怒った様な顔でこっちに来る。


「聞こえていたんだけど、私のお尻が、どうかしたの?」

「えっ? そ、それは……。圭一、何か言えよ」

「な、中島こそ」


 一気にしどろもどろになる。


「見たの?」

「み、見てない。見てないから。その、可愛いなあ……、と」

「……は?」

「マヤちゃん。このくらいの年の男子ってのは、色々想像するものなんだよ」


 圭一達の様子を見かねてか、彼の父親が入ってくる。


「想像、ですか?」

「そう。特に君みたいな足が長くて可愛い女の子の前ではね。それだけ君が、魅力的って事だよ」


 カーッ。


 マヤの顔が一気に紅潮して行くのが分かる。

 彼女は恥ずかしそうに頬に手を当て、目を反らしうつむいてしまった。

 魅力的、なんて言われたら。


「ま、マヤ……」


 喋っても大丈夫かな。

 圭一は確かめる様にゆっくりと声を出した。


「圭一、ホントなの?」


 マヤが顔を上に上げる。

 圭一の瞳をじっと見た。


「ホントに、想像してただけ?」

「あ、うん」

「良かった~。私もしかして、水着からお尻がはみ出してたかと思ってた」

「そ、それは無いよ」

「そう。でもね、あんまり変な事想像しないで。私……、恥ずかしいんだから」

「わ、分かった。なるべくそうする」


 約束は出来ないけど。

 だって、これは、その、調節出来そうにないから。

 つい、見てしまう。

 成長の証。

 圭一の母親がパンパンと両手を叩いた。


「いいわね~。青春ね~。わたしにもそんな時期があったわ。さあ、マヤちゃん、中島君、圭一。一緒に泳ぎましょう」


 そう言い、先頭になって海に入って行く。


「か、母さん。あんまり急ぐと、危ないよ」

「あら。無茶はしていないわよ。それなら、若者が先に行きなさい。テトラポッドの所までね。わたしは父さんと行くから」

「わ、分かった。行こうマヤ」

「ええ」


 圭一、中島、マヤが泳ぐ。

 マヤの髪が濡れた。

 それを見て、圭一の胸がまたときめく。


 ドキン。


 艶やかな髪の後ろ姿。

 マヤが振り向いた。


「圭一、遅れてるけど、どうかしたの?」

「え? ううん。何でもないよ」

「中島君が、競争しようって」

「競争? よ~し、負けないよ」

「私もよ。せ~の」


 三人が足を蹴り出しクロールで進む。

 誰が勝つのか。  

 その様子を微笑ましそうに、父親と母親が見守っていた。
























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