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小説家になろうラジオ大賞5

ガラスの金魚は、幸せな家庭の夢を見るのか?

作者: 夜狩仁志

小説家になろうラジオ大賞5 参加作品。テーマは「金魚」です。2作目です。

「あのね、最近、うちの金魚が元気ないんだ」

「金魚って、夏祭りの時の?」


「エサも食べないし、底に沈んだままだし。なんだか寂しがってそう」


 ……そうなんだ


 彼女との学校帰りの道の途中。

 真剣に悩んでいるような表情から出てきた言葉が、それだった。


 金魚、元気ないんだ。

 でも、当然だよね。


 だって、その金魚……


 ガラスでできてるんだから。


 この前の夏休み。

 僕は彼女と一緒に夏祭りに出掛けた。


 そこで彼女が金魚すくいの屋台の前で立ち止まって、ずっと水に浮かぶ金魚を眺めていたのだった。


「金魚、可愛いね」


 彼女の家では金魚は飼えなかったのだ。


 でも、あまりにも物欲しそうに眺めていたので、僕は何か変わりになるものがないか、近くの屋台を探した結果……


「はいこれ」

「これって、金魚?」


「うん。ただしガラス製だけどね」


 ガラス細工の屋台があったので覗いてみたら、ちょうど小さな金魚があったのだ。

 白と赤の可愛らしい、涼しげな半透明のガラスの体。


 それを水の入った袋に入れて、彼女に渡してあげた。


「ありがとう。大切に育てるね!」


 これならエサの心配もないし、死んじゃうこともない。


 それを僕たちは大事に持ち帰ったのだった。


 それから数ヵ月が経ち……


 今に至る。


「なんだか寂しそうなんだよね」

「寂しそう?」


「うん。ずーっと独りぼっちで、底に沈んでるんだよね。病気かな?」


 ……まあ、ガラスだからね


 彼女の意図が図りかねる。

 一体僕にどうしろと?


 しょうがないので、次の休みの日に二人でショッピングすることに。


 雑貨屋などを回り、金魚が元気になるようなアイテムを探すことに。


 そこでちょうどいいアイテムを見つける。

「これ、底に敷いたらいいんじゃない」

「ビー玉? 綺麗!」


 それからプラスチックの模型の木や石。

 シジミやアサリの味噌汁を食べ終わった後に殻を取っておいて、それを置いたりして。


 水槽の底に、一定の高さになるまでビー玉やガラスの石などを敷き詰める。


 その上に金魚を乗せ水を投入。


 すると金魚がキラキラ光る水の雫の上を泳ぐように漂うよう。


「すごく綺麗! 金魚も喜んでるみたい!」

「そうだね」


「ありがとう。すっかり金魚も元気になったね」

「それはよかった」


「でも、独りじゃ可愛そうかな」

「ひとり?」


「今度は家族かな」

「家族?」


「子どもは何人がいいかな?」


 これって、金魚の話だよね。

 まさか、僕たちのことじゃ……

 催促してるわけじゃないよね?


 早く新しい金魚、買ってこないといけないかな?


締め切り1時間前に慌てて書いた作品です。

なので、ちょっと構成が荒いし、詰めが甘いですね。


このストーリーは、『僕は茶道部部長に弄ばれる』の第101話 「夏祭り」の後日談みたいな感じで作ってみました。


本作品にて、小説家になろうラジオ大賞5 の投稿は終了です。よければ他の作品も読んでみて下さい。


2023年最後の作品です。

また2024年以降、どこかの作品でお会いできれば幸いです。

令和六年が皆様の善き年でありますよう、願っております。

ではまた~

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もとネタの連載作品です

僕は茶道部部長に弄ばれる



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