一緒に逃げて欲しい。駄目なら一緒に死んで欲しい
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。R15描写はないですが、
情交ネタ、歴代きってのメンヘラ回になりました。
作者も不思議〜(*●∧●*)
女は俺の隣に体育座りして、漫画を読んでいた。バトルアクション物。結構血飛沫舞う系。割と流行りのシリーズだから俺も内容は触り程度に知っている。
不意に女が本を置き、黙って手首を握り締めた。女の非力な手。けれども懸命に力を込めているのが分かる。男でも僅かに痛いと感じる位には。女は真正面を向きながら、ぽつりと一言。
「君は……一緒に逃げて欲しい」
「いきなりどうした?」
人が死ぬシーンでも見たのだろうか? 結構気に入りのキャラだとか? まぁ気に入った奴が亡くなる際には結構落ち込むものだな。そんな事をつらつらと考えていたら、女が此方を向いた。目には波紋一つ無い。ただただ無言で俺を映す。そしてそのまま掌全体を使って顔に触れて来た。
「怖い人が来たら、戦わないで良いから手を引っ張って、一緒に逃げて欲しい。戦わないで、良いからね。でも置いてかないでね」
「そこは戦って欲しいじゃないのか」
何気なく言った一言のつもりだった。しかし音のない水面に、波紋が生まれた。女は目を見開くと、ひとみの縁から止めどなく涙を零し始めた。表面張の限界を超えた水が溢れ出る様に。
慌てた袖で涙を拭いてやる。それでもぐずった様に泣き止む事は無かった。
「死んでもそんな事言わないで。絶対に」
それから膝枕を所望された。俺の膝の上にしっかりとしがみついて、腿を濡らす。そしてそのまま眠ってしまった。
「どうして泣いたんだ。普通守って欲しいと願うのが……あー……いや、偏見だな」
殆ど女性と交際した事が無いせいか、こういう所でボロが出る。所謂、偏見と言うもの。テレビとか、雑誌で見ると『守って欲しい』とはよく聞いたんだがな。
一頻り泣いて落ち着いたのか、先程と同じ様に掌全体を使って顔に触れてくる。それら撫でる様に、首まで滑る。
「死なないで欲しい。私を置いて行かないで欲しい。だったら一緒に……ぐぬっ」
「最後まで聞きたい」
きっと最後に続く言葉は生死の言葉だろう。それでも、その感情を受け止めてやりたい。受け止めて抱き締めてやりたい。
女は黙って俺の首に巻き付くと、耳元で深呼吸を繰り返す。それからぽつりと一言。
「一緒に死んで欲しい。でも私の夢は、私の体も君の体も、出来れば傷一つ付かずに余生を謳歌する事だから」
「ん」
「傷ないか確かめてた。治る傷にしてね」
基本甘ちゃんなので、守って欲しいとは思ってます。
でも守って死んでしまったら、私が殺した様なものなので、やっぱり手を繋いで逃げて欲しい。
懐かしい児童書ネタです!!
話題になっていたのは別のものでしたけど、それに類する形で皆様お名前上げて下さいました。
嬉しい⸜(*ˊᗜˋ*)⸝
読書嫌いな私がハマったきっかけの小説ですよ。
確か、卒業式の手前辺り。幽霊を見て、友達の手を引いて逃げるシーン。
心当たりある方は良いお茶が飲めそうです。
それとたまたま目に付いた
『やっぱり守って欲しい』
というワード。
守っては欲しい。でもそれ以上に一緒に生きて欲しい。
好きな人が一緒に居ない人生とか寂しくないです?