冬の俳句(2022年末)
『早起きの子や いそいそと 霜柱』
いつもは寝坊助の子がはりきって早起きして外に飛び出す。
何をするのかと思えば、土の上を足でフミフミ──子猫かな?
霜柱を踏みつぶす感触が面白いらしいです。
時々首を傾げながら「今日はいまいち……」……違いのわかる子供かな?
『火の用心 行く年送る 木が入る』
カチッ! カチッ!「火の~用~心」
夜道を夜回りさんが拍子木を打ち鳴らしながら歩いています。
年末恒例、消防団の人達による夜回りです。
拍子木を打つことを『木を入れる』『木が入る』と言います。
お芝居や大相撲などで、チョン、チョン、チョン、チョチョーンッ! と小気味良く打たれる──あれです。
湯を沸かして、そろそろ湯たんぽの準備をしようと思う頃。
外から不意に聞こえる鋭く硬い音にハッとし、続く夜回りさんの声にホッと安堵する。
そんな時期だったかと、毎年のことなのに忘れてしまっているのです。
──もう今年も終わるのか。
──やっと今年が終わるのか。
木に送られ、花道を去って行く“今年”。
──よっ、2022年、お疲れ様。
夜回りさん達もお疲れ様です。
良いお歳を。