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●悪役キャラに転生したみたいなので闇の秘密結社を作ったら何故かハーレムになっていた件  作者: Crosis
第一章

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閑話ー奴隷娘の休日7

 そして運ばれれて来る各々の頼んだ料理達。


 そのどれもが美味しそうで。


 家族に食べさせてあげたいな、と思ってしまう。


「大丈夫か?」

「うん大丈夫。 少しだけ、思い出しただけだから」

「大丈夫なら問題はないんだが、無理だけはするなよ? 溜め込む前に吐き出してほしい」

「ありがとう、ガレット」

「何を言っているのよ。 私もガレットと同じですからねっ!」

「わ、わたくしもですわっ!!」


 家族の事を思い出したという事を伏せてガレットに伝えると、私が思っていた以上にみんな心配してくれていたみたいで、こんな美味しそうな料理を前にして申し訳ない気持ちになってくる。


 ああ、またマイナスな方へ考えるダメな癖が出てきちゃってる。


 こんな時こそ思考を切り替えないとっ!!


「みんな、ありがとうっ!! もう大丈夫だからねっ! それじゃあ、食べましょうっ!!」

「「「「いただきます」」」」


 そして、私の表情を見た面々はもう大丈夫だと判断したのか安心したような表情になり、それを見た私は感謝の気持ちをそのまま口にしてご飯を食べようと催促する。


 ご主人様の奴隷になった者達は、皆過去の記憶は辛いものが多く、今回のように過去の記憶がフラッシュバックしているような雰囲気の娘を見つけると、自然といつの間にかみんなで声をかけるようになり、少し酷そうな日などはその娘を極力一人にしないという行動を取るようになった。


 ちなみに家族の事を言わないというのは暗黙の了解となっている。


 皆が皆私みたいに家族に愛されていたわけではないのだ。


 初めからいらない子と言われながら育てられ、最終的には奴隷商人に売り飛ばされたり、両親が死んで孤児となり、奴隷商人に拾われた者、盗賊に皆殺しにされた者などがいるからである。


 だからこそ、皆より強くご主人様に依存して、そして惹かれ、縋るのである。


 そしてご主人様もこんな私達に優しくて、だからこそ恩を返したいと常に思うのだけれども、私達にできる事なんてたかがが知れているわけで。


 今更ながら、ご主人様が私たちの選んだ服なんかを貰って喜ぶのだろうか? と不安になるのだが、同時に私達のご主人様はそんな人じゃないと思う自分もいる。


 だって、生きる事は辛い事ばかりだと思っていた私達に、生きるって事がこんなにも楽しい事なんだと教えてくれたのはご主人様なのだから。


 そう思うと、やっぱりご主人様はきっと喜んでくれるに違いないと思えるようになる。


 この後私は、みんなと一緒に楽しくご主人様へプレゼントする服を選ぶ。


 そしてまた一つ気付く。


 誰かを思ってプレゼントを選ぶという時間は、とても心が満たされるのだという事に。

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今回は中々出来ている良い短編だと思います〜
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