閑話ー奴隷娘の休日2
確かに、と隣にいるケンタウロスのアンナの巨躯を見て思う。
顔だけ見ると美人なのだが、上半身は引き締まって筋肉質だし(お風呂で確認済み)、下半身に至っては言わずもがな。
「ねぇ、私の身体に何かついているかな?」
「大丈夫、何もついていないよ。 ただ、大きいなぁーと思っただけだよ。 背中乗ってもいい?」
そして私の視線に気付いたのかルームメイトかつ同じ班ケンタウロスのアンナがなぜ馬の身体を見て来るのか聞いて来る為素直に答える。
「よ、良かった……。 虫でもついているのかと思ったよ」
「全く、そんな大きな身体を持っていてなんで虫が怖いのか」
「それはそれ、これはこれで、怖いものは怖いんですよぉ。……まぁ、乗っても良いですけど運賃として果実ジュースを奢って頂きますからねっ!」
「分かったわよ。 全く、しっかりしてるんだから。 それで、あなた達は準備できたの?」
「おう、ばっちりだぜ」
「おまたせ致しましたわっ」
そして私はケンタウロスのアンナの背中へ横座りしてまだ部屋で準備をしている仲間に声をかけると同時に中からドラゴノイドのガレット、ハイエルフ(エルフとハイエルフの違いは分からないのだが本人がそう言っているのならばそうなのだろう。 他のエルフより耳が細長く肌の色も透き通ってる気はする)のメアリーが出てくる。
私を含めて、皆思い思いのお洒落をしており、いつも着ている黒くてカッコイイ衣服による雰囲気とは違い、一気に華々しくなる。
アンナと私は少しお洒落な町娘風の、ロングスカートの上に上半身はインナーの上に膝ほどまでの長さのショールという感じなのだが、私が奴隷に堕ちてしまう前に着ていた物と比べるまでもなく見ただけで上質だと分かる布で作られている。
そしてガレットは男装の麗人のような衣服を、メアリーは緑と白のドレス風の衣服を着ており、二人共種族であるドラゴノイドとハイエルフのイメージ通りである。
まぁ、それを言うと私もヒューマンのイメージ通りの服装なのかもしれない。
「あ、ジェシカちゃん。 アンナちゃんの背中また乗ってるのね」
「うん。 代わりに果実ジュースを奢るの」
「なら僕がお姫様抱っこして運んで行ってもいいぞ?」
「そ、それは流石に恥ずかしすぎるよっ!!」
「あらあら、顔が真っ赤でしてよ?」
「果実ジュースで最初に交渉成立したのは私ですからねっ!!」
そんな、たわいも無い会話をしながら私達は街へと向かう。
本日、私達は休日なのだ。
未だに奴隷である私達に休日があるのも、働いて稼いだ分は全額貰えるのも慣れていないのだが、貰えると言うのであればご主人様のご好意に甘えてしっかりと貰い、しっかりと楽しみたいと思う。




