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息が合いすぎていた

「なぁーんだ。 ハッタリだと分かればテメェなんか怖くねェんだよバァーーーーーーーカッ!!」

「私達をコケにした事は絶対に許さないからっ!! 今更謝っても絶対に許さないからっ!!」


 そして弟と妹は互いに目線で合図を交わ試た瞬間、左右に分かれ、弟のグエンは火属性の低級魔術である【火球】を俺目掛けて放ち、妹のマリーは土属性の低級魔術である【凸凹】で俺の足元を荒らし始める。


 恐らくコレが二人の常套手段なのだろう。


 慌ててグエンの放った【火球】を避けた所で足元が疎かになり、マリーの【凸凹】により荒らされた地面に足を取られて転けてしまう。


 そうなればもう二人の一方的な展開へと一気に持っていく事ができる。


 一体、この戦い方で何人の人間を痛めつけてきたのか。


 そう思ってしまう程には二人は息が合いすぎていた。


 叩けば埃がどっさり落ちて来そうだ。


「は、ははっ! 避けるねぇっ! でも一体いつまで避けれるか見ものだなっ!」

「避けきれなかったり足を引っ掛けて転んでしまったりした時がゴミ虫の人生が終わる時だと思って必死に避けなさいっ!!」


 そして二人は笑いながら俺へ攻撃してくる。


 しかし、魔術一つ使うのにわざわざ詠唱してからでないと使えないとは、コレでは一生かかっても俺へ攻撃を当てることは出来ないだろう。


「つまらん」


 今の俺の心境を例えるのならば得意な格闘ゲームで一度もその格闘ゲームをプレイした事ない初心者を相手にするような感覚に近い。


「は、テメーのその余裕がハッタリだって事は既に分かってんだよっ!」

「あー、はいはい。 強がっちゃって。 ダサいわねっ!」


 しかしながらコイツらはバカの一つ覚えのように一向に攻撃手段を変える素振りもなく、同じ攻撃を互いに繰り返していく。


 はっきり言ってつまらないし飽きた。


 俺は移動スキル【縮地】を使い一気にグエンへ近づくとそのま顔面を手のひらで覆い、勢いそのままに地面へと頭から叩き落としてやる。


「グエッ!?」

「お、お兄ちゃんっ!? え? 嘘っ!? ハッタリだったんじゃないのっ!? あぎゃっ!?」


 そして妹には土属性の低級魔術である【拘束】でマリーの両足を鉄で拘束してやるとそのままバランスを崩して頭から転ける。


「で、母上は俺に攻撃してこないのか?」

「こ、ここここ、攻撃などするわけないわ。 だって貴方は私の大切な息子なんですものっ!!」

「じゃあなんで見ているだけだったんだ? 普通止めるよな?」

「そ、それは、その……あ、貴方なら大丈夫だと思ったからよっ」

「あ、そう」

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