表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/265

修行が足りないなと反省する

 そう言いながら俺はわざと見下すように父上を見る。


「貴様、こんな事をしでかしてタダでは済まさんぞっ!!」

「あ? タダでは済まさない? それはこっちのセリフなんだが?」

「ひっ!?」


 おっと、ついブチギレる寸前まで怒りが込み上げてきて殺気が溢れてしまったみたいである。


 俺もまだまだ修行が足りないなと反省する。


 感情を優先して理性をどこかへ追いやってしまってはコイツらと、ただ目障りだからと言う理由だけで俺の母親を殺したコイツらと何も変わらない。


「それはそうとグエン。 お前、俺の奴隷にちょっかいを出そうとしていたみたいだな?」

「ふぁ、ふぁんふぉふぉとふぁっ!?(な、なんの事だっ!?)」


 焼け爛れたその顔では喋り辛いのか、ほとんど何を言っているのか分からないのだが、コイツの性格とイントネーッションから何となく解釈するが恐らく内容は合っているだろう。


「あ? 最近ギルドに出没している奴隷を奪うだの何だの言っていないとでも? あの娘達、俺の大切な奴隷達なんだけど? モーデル家が見回りを強化しなければどうなっていたか。 それはそうと君は、何かね? グエン君。 他人の物は勝手に奪っても良いとでも思っているのかい?」

「ふぉれふぁ──」

「ああもう何言っているか分ら無いから特別回復魔術をかけてやるよほら」

「こ、この俺が使ってやると言っているんだっ! あの奴隷達もその方が幸せに決まっているっ!! それに嘘をつくなっ!! 貴様如きゴミ虫があんな奴隷を買える訳もないだろうっ! はったりもまともにできないとは流石ゴミ虫だなっ!! それに、他人の物を奪うだ? 俺がわざわざ貰ってやってんだよっ!!」


 何コイツ。


 ちょっと回復魔術をかけた事を後悔してしまう程にはマシンガンのように聞くに耐えない言葉を吐き続けているんですけど。


 それと、父上。


 俺の死角から剣を抜刀してにじり寄って来ているのも丸分かりなんですが?


 恐らく、父上の滑稽な動きを見たグエンが敢えて俺を挑発するような言葉を言って、俺の気を引こうとしていたのだろう。


 こうもバレバレでは滑稽というか、逆にマップ機能が鬼畜というか。


 マップ上には名前こそ出ないものの赤いマークにより一度見た敵の位置は丸わかりである。


「死ね糞虫がっ!! 弟に夢中になって、俺の事を無視したのが貴様の敗因だっ!!」

「何が敗因だって?」


 奇襲のつもりなのだろうが、だったら攻撃する瞬間に大声を出すとかアホなのかと思いながら俺はストレージから取り出したS S S武器の黒龍刀・極を取り出すと、その勢いのまま父親の腕を切り落とす。


「……へ? え? お、俺の腕が……?」

「いや、何で他人を斬ろうとして自分は斬られないと思ったんですか?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] お疲れさまでした。 世間に出すのも恥ずかしい、実に卑しい家族だな(笑) 主人公が不憫(-""-;) まあ、これから彼等、簑踊り(刑罰です)してくれるだろうから、存分に楽しんでくれると…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ