ここで私は死ぬのか
そんなある日、クロード殿下が護衛達を撒いて一緒に城下町へ行こうと誘ってくれた。
嬉しかった。
そして私は護衛を付けずに城下町へ行くという事がどれほど危険であるか、何故クロード殿下には護衛が付き、私は迎えの馬車でそのまま帰るのかという事の理由を考えもせず、ただただ嬉しいという感情だけでクロード殿下のお誘いを承諾した。
その結果、当然のように私達二人は拉致されてしまう。
今まではカイザル様が私の中の最低な男性であったのだが、それは悪い意味で目の前の男性達へと更新される。
カイザル様は私に対して暴行未遂までしたのだが、それでも命までは奪わなかったであろう。
しかし、目の前彼らはそうするのが当然のように犯し、そして殺すであろう。
その事が彼らの会話の節々から伝わって来る。
そして、私達二人は目隠しをされた状態で何処かの地下室に閉じ込められてしまう。
それから数時間程経って今は目隠しこそ何とか外す事が出来たのだが手足につけられた金属製の枷までは外す事が出来なかった。
あぁ、ここで私は死ぬのか。
そう思うと無性にクロード殿下へ罪悪感が湧いてくる。
あの日私が欲望に負けさえいなければ、そうでなくとも城下町へ出かけるではなく他にやりようはあったはずであるし、ちゃんと護衛を付けていればもしかすればこんな事にはならなかったかもしれない。
そんな事を私は地下室に閉じ込められてからずっと考えていた。
「なぁ、雇い主様はよぉ、万が一の為に一週間は手を出すなって言ってたがもう五日だぜ? 流石に今犯しても大丈夫なんじゃないのか?」
「でもあの雇い主様は厳しいからな、やるなら俺がいない時間帯で一人で犯れよ? 俺はまだ女一人で俺の命は賭けたくない」
そしてどれ程この地下室に閉じ込められたのだろうか?
彼らの言っている事が本当であればここに来て五日目であるらしい。
それと同時に、牢屋の外に私達を逃げないように監視している二人のうち一人が我慢の限界だと言い始め、私を犯しても良いかともう一人に相談し始めるではないか。
カイザル様にされた時は直ぐに助けられた(実際このように拉致されたからこそ、今思えばおかしな箇所が何箇所か見受けられる)為余り恐怖を感じる暇も無く解決したのだが、彼らの悪意と欲望がハッキリと私に向けられた私は恐怖で身体が強ばり、震え、涙が出てくる。
「や、犯るならこの女から犯してくれっ!」
「……ク、クロード殿下?」
「俺はそっちの気は無いんだっ!!」




