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育成のダンジョン

 この際どうせなら全員でレベル上げも良いだろう。


 という事で全員でダンジョンへと入って行く。


 このダンジョンなのだがプレーヤーの間では『育成のダンジョン』と言われる程に育成特化されたダンジョンである。


 この『育成のダンジョン』がある帝国民であった事と、まだ誰にも発見されていなかった事は悪役キャラに転生した俺の、不幸中の幸いと言うべき僥倖であろう。


 そして何故前世でこのダンジョンが『育成のダンジョン』と呼ばれていたかと言うと、弱いのに経験値が美味いモンスターが無限に湧き出て来るからである。


 その為新しい職業を初めて使う場合はまずここで使用感に慣れながらレベルを一気に上げていくというのが定石となっていた程である。


 因みに出て来る敵は基本的に全て動きの遅いスライムであり、本来であればこのスライムはめったに出ないのだがゲーム終盤にこのダンジョンへ行けるようになるため運営が意図的にクリア後別の職業で遊ぶプレイヤー用に作られたという説が濃厚である。


 そして、そんな噂話が囁かれる程に経験値だけを見ればこのダンジョンは美味いのである。


 しかしながら経験値以外は渋いのである程度育ってからはその他ステータス上昇アイテム、スキルや魔術を覚える為に他のダンジョンを周る必要がある。


 一か所で全て完結できるのであればそれに越したことはないのだが、それではゲームをプレイする醍醐味なども無くなってしまうのでそこらへんは制作にあたって難しい所の一つなのだろう。


 しかし、この世界ではスキルや魔術などゲームの環境と比べれば初級ばかり、上級冒険者でも中級が数種類、上級に至っては一つ二つ覚えていれば良い方であり、レベルに至っては上級でも四十レベル前後と、はっきり言って話にならないほど弱過ぎるので、ここで一気にレベルを百五十前後まで上げるだけで、スキルや魔術などあまり所有してなくてもこの世界の上級冒険者など赤子を捻るように簡単に倒す事が出来るようになるだろう。


 まさに知識とは力である。


 そして、休日だけのつもりが奴隷達の強い要望により平日の放課後もダンジョンへと向かう。


 今まで俺では想像すらできない暮らしをして来たであろう彼女達の要望はできるだけ叶えてやりたいという想いからである。


 今思えば軽い気持ちだったし軽率な行動であった。


 そんな感じで一週間、学園の授業を終えた後は奴隷達とダンジョンへ向かいレベル上げをしまくった結果、全員見事にレベル300を超えていた。


 大切な事なので二回言うが、上級冒険者でも四十レベル前後の世界なのである。


 正直に言おう。


 やり過ぎたと。


 はっきり言って奴隷のうち誰か一人に国落としを命じれば本当に成し遂げてしまえるくらいには立派に育ってくれて、所有者の俺としては冷や汗を止める事が出来ない。


 どうしてこうなった。 と頭を抱えて現実逃避をしたところでやってしまった事は元には戻らない。


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