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終われない

 しかし俺の心の応援も空しくクロード殿下の矛先はブリジットから俺へと向けられてしまったのでこの話はお終いとばかりに決闘後にまで難癖つけてくる人にかける常套句を投げつけ、切り上げてこの場から立ち去ろうとする。


 ハッキリ言ってここからの時間は無駄な時間でしかないのでクロード殿下には悪いが自分の詰めの甘さを受け入れて欲しい。


「ちょっと待てっ!? なんでこの場から逃げようとするっ!? やはり疚しい事があるからだろっ!!」


 俺からしてみれば洗脳も何もしておらず、ブリジットそのものが変人のそれだという事を知っているのだがクロード殿下からすればまさにシュレーディンガーの猫、疑いが晴れていない限り彼にとって俺が悪でもあるのだろうし、そう信じて疑わない目をしている。


 そして俺は今ここで立ち去るのと、俺の疑いを晴らす事のどちらがこれから面倒臭くならないか頭で予想し、立ち去る方が面倒臭い事になりうだと判断した俺は足を止めてクロード殿下へ身体を向ける。


「でしたら今この場で解術でもなんでも行ってください。 決闘などしなくても皇族からの命令であれば素直に従いますので。 ただし、今件に関しましては今後一切命令しないと約束していただければの話ですが」

「ふん、逃げられないと悟って開き直った所で言質は頂いた。 今さら駄目だと言ってももう遅いぞ? おい、衛兵よ。 こいつを逃げないように見張っていてくれ」


 そして俺の言葉を聞いたクロード殿下は俺を見下すかのようにそう告げると学園を守っている衛兵を呼びつけ俺を拘束させる。


 それからクロード殿下は身内であるハーレム要員でかつ魔術に長けるアーバン家の令嬢、エミリーを呼んで来るとブリジットへ様々な魔術をかけていく。


「もう良いか?」

「まだだっ!! 必ず洗脳系の何かをブリジットはかけられているに決まっているっ!! それを解術するまでは終われないっ!! 必ず救い出してやるからなブリジットっ!!」


 そしてクロード殿下がブリジットへ様々な魔術をエミリーと共に試し始めて一時間は経過した。


 既に授業開始の鐘の音は鳴っており、野次馬も試した魔術が十を超えたあたりから殆どいなくなってくる。


 今この場にいるのは俺とブリジット、クロード殿下にそのハーレム要員ぐらいだ。


 そして野次馬達がいなくなった事からも分かる通りもう既に代表的な解術系魔術は全て試されており、今ではヒール等関係ない魔術を使い始めているのでさすがの俺もそろそろ切り上げて授業を受けたいと思い始める。


 前の俺が不真面目過ぎたせいで出席日数が少し危ないんだよな。

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