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決闘を受け入れる

「見て分かる通り決闘の申し込みをしているっ!!」


 今すぐこいつを、皇族とか関係なく思いっきりその顔をグーパンしたいと思うのは致し方ないと俺は思う。


「いえ、決闘を申し込まれるような事を私はしましたかね? もししていたというのならば今ここで謝罪致します」


 もうただただ面倒であるし、野次馬が集まり始めている為俺は一秒でも早くこの場から抜け出すために初手謝罪を発動する。


 謝って済む問題ならば謝るに越したことはない。


 それが前世で学んだ処世術という奴である。


 何時の時代も先手必勝初手謝罪攻撃が最強なのだ。


 いくらクロード殿下であろうと決闘をする前に非を自ら認め、謝罪する相手に対して公衆の面前でなおも決闘を申し込む事などできよう筈がない。


「どうやら根本的にお前は分かっていないようだな。 これは最早謝って済む問題ではない。さっさと決闘の準備をせよ」


 ふむ、おかしいぞ?


 クロード殿下は引くつもりは無い上に周りの野次馬は殿下を罵倒するどころか歓喜の声が上っているではないか。


 どうやら俺は俺自身の評価の低さを侮っていたみたいである。


「さすがに決闘を申し込まれる理由も分からずお受けする事はできません。 よろしければお教え頂けないでしょうか」


 どうせブリジットを解放しろだとかそんな事だろうけれども、一応は決闘を申し込んできた本人へ確認する。


 人が仕事でミスするときは様々あるのだがその中で『そうに違いない』と確認も相談もせずに勝手に動く事で起きるミスは意外と多い。


 少しの手間で後に起こりえるミスを防げるのならば安いものだ。


 そんな事を思いながらとどのつまりは『違ってくれ』と念じる。


「そうか、スフィアを婚約破棄しただけの事はあるな。 お前は自分が行ってきた悪行の数々を悪行とは思っていないから、それに気付けないのだろう」


そしてクロード殿下は一拍置いて俺を親の仇かと言うような怒りの籠った目で睨んでくる。


「ブリジットの事だよ。 ここまで言って分からないとは言わせない」


 そして俺の念は空しくも効果は無かったようで、やはりブリジットの事のようである。


 そもそも何故クロード殿下が婚約者ですらない数多いるであろう婚約者候補の中の一人にこれほどまでに固執するのかが分からない。


「……、分かりました。 では勝ったものは何を願いますか?」

「ブリジットの隷属化の解除だ」

「その程度ならば、良いでしょう」


結局、ブリジットを出されては俺は決闘をしなければならない為、渋々クロード殿下からの決闘を受け入れる。


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