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ブリジットにそっくり

 そして俺は晴れてブリジットのお陰?でスムーズにモーデル家を奴隷に落とすことが出来た。


 因みにダミアンの切り落とされた足は俺の回復魔術を使い繋ぎ合わせてやったのだが、それを見たダミアンと息子二人が今まで憎悪に満ちた目から崇拝のそれに近い物に変化した気がするのだがきっと気のせいだろう。


 そして、その表情がブリジットにそっくりなのもきっと気のせいに違いない。


 あれかな? 血の繋がった家族だから似てて当たり前という事だろうな、きっと。


 ブリジットはブリジットでその光景を見て偉そうに胸を張っていたのだが、ただ足を繋ぎ合わせただけなので恥ずかしいから止めてほしい。


 そしてそのままダミアンの妻でありブリジットの母であるベラもこの流れのまま奴隷の所有権を俺へと移すのであった。


 これで俺の奴隷達も少なからずクヴィスト家から多少は守られる事だろう。





 あれから三日間、モーデル家がギルド周辺の警備の強化したお陰かいまだクヴィスト家からの動きは見られない為多少なりとも牽制はできているものとみて良いだろう。


 それが如実に分かるのが日に日に目に見えて俺の二歳下の弟であるグエンの機嫌が悪くなっているからだ。


 同じ公爵家がわざわざ命令してまで警備を強化している縄張りで問題を起こせばどうなるか、分かっているから使用人に怒鳴った所で結果は変わらない事も理解している為思い通りにいかない鬱憤を発散する場所が無く溜まり続け、それが原因で日を増すごとに苛立っているのだろうという事が手に取るように分かる。


 それにしてもたった数日すら待つことが出来ないとは、さすがクヴィスト家の血を引く俺の弟というべきか。


「おい愚図何こっち見てんだよっ!!」

「申し訳ない」

「ふん、分かればいい」


 しかし、結果それが俺へと当たって来るので勘弁してもらいたい限りだ。


 今現在、長男の俺が下手に出るだけで満足するレベルで収まっている事が唯一の救いか。


 そんな事を思いながらいつも通り朝食は家族とは別々に食べ、学園へと向かう。


「おいカイザルッ!! 俺と決闘をしろっ!!」


 学園へ着き、馬車から降りるや否や手袋を投げつけられクロード殿下から公衆の面前で決闘を申し込まれた。


 恐らく人気のない場所であったら俺が逃げるとでも思っての行動だろう。


 その考えは当たっているのだが、それと同時に何故俺の周りにはこうも面倒くさい奴らばかりなのだろうと辟易してしまう。


クロード殿下の存在を忘れた訳ではないが、別に決闘を申し込むのは今でなくても良いだろうと思うと共に、もういっその事何のしがらみも無い場所へ逃げて平穏に暮らしたいとすら思ってしまう。


「……何の真似ですか?」

「な、何の真似だとっ!? 貴様は皇族をバカにしているのかっ!!」

「いえ、その様な事はございません」


 何故そうなるのか。


 そもそも俺が問うているのはクロード殿下の非常識さを遠回しに聞いているのだが、どうやら頭に血が上っているクロード殿下には言葉の裏まで読み取る冷静さは無いようだと分からないように溜息を吐く。

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