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俺の方が悪であろう

 そして何事も無くスムーズに所有権はブリジットから俺へと移し替えられる。


 その事により先ほどまでこの三人にブリジットが命令していた効力は無くなり、一気に騒がしくなる。


「貴様っ!! この俺様を早く奴隷から解放しろっ!! 俺はこの国の次期王となる人物だぞっ! さっさとせぬかこのボンクラがっ!!」

「おい貴様っ!! この俺にこのような事をして良いと思っているのかっ!? 俺は時期宮廷騎士団をも動かせる立場であるモーデル家を継ぐ者だぞっ!!」

「はやくこの奴隷から解放させないと貴様の家族親戚がどうなるか、少しはその小さな脳みそで考えるんだなっ!! 俺は宮廷騎士団の次期団長候補だぞっ!! 最悪の未来を迎えたくなければさっさと奴隷から解放しやがれっ!!」


 本当、こいつらに俺の正体をバラさなくて心底良かったと心から思う。


 こういう奴らは悪知恵だけは働く為奴隷としていくら禁止事項で俺の正体を他人に伝えるなと命令しても抜け穴を見つけて第三者に俺の正体をバラしてしまう未来を容易に想像できてしまう。


 しかし、いつまでもこううるさいと目障りである為奴隷の躾が急務のようである。


「次、俺の許可なく喋った奴の足を切り落とす」

「ふざけんな! 誰がっ!? ぎゃぁぁぁああああっ!? 俺の足があぁぁああああっ!? 痛い痛い痛いっ!!」


 こういう奴らは口で言っても聞かない為身体で分からせる必要があると俺は考えている為、取り敢えず切り落とすつもりはないけれども、一応はこいつら奴隷三人の主がそう言えば少しは大人しくなるだろうとそう思っていたのだが、俺がそう言い終えた瞬間にダミアン・モーデルが唾を飛ばしながら激昂して吠え叫び、そしてブリジットが容赦なく自分の父親であるダミアンの右足を膝上から切り落とす。


 そして痛みに耐えかね床を転げまわるダミアンと、その光景に絶句する二人の息子に俺。


 もうドン引きである。


「うるさい。 黙れと言われた事が分からないのか?」

「ひぃぃぃいっ!! 黙るっ、黙るっ!!」


 そして叫びながら転げまわるダミアンの髭をむんずと掴むと力任せに持ち上げ、至近距離で睨みつけるとどすの利いた声でブリジットが黙るように促し、ダミアンは黄色い汁を股間から漏らしながら黙ると必死にブリジットへ誓う。


「それは私ではなくご主人様へ言うべき言葉であり、許すかどうかはご主人様次第だ」

「だ、黙りますから、どうか、どうかお慈悲を……っ!!」


 この光景だけを見ればどう考えても俺の方が悪であろう。


 俺もそう思う。

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