見てみたいねっ!!
そして顔を真っ赤にして言い訳をし始めるクロード姫なのだが、もうその態度から既に俺に好意を寄せているのがバレバレである。
まだ小等部の学生の方が嘘のつき方は上手いのではなかろうか。
むしろこれで本人は誤魔化せていると思っている方が凄いとすら思えるくらいにはクロード姫はしどろもどろであり、さらに顔はお湯を沸かせそうと思えるほどに真っ赤になり目線は泳ぎまくっていた。
はっきりってメンタリストではなくてもクロード姫が嘘をついている事は誰でも分かってしまうだろう。
「そ、そうか……」
「そうだっ!! だ、だから俺がお前の事を好きだなんて思わない事だなっ…………で、でも……お前はお前でカッコいいと、俺は思うぞ……。 その何というか、お前に突っかかって喧嘩を売った立場の俺がこんな事を言うのも信じられないかと思うかもしれないが、でも、だからこそ俺の言葉は信じられるというか何というか……」
そしてクロード姫は身体をくねらせ、モジモジとしながら先ほどより顔を真っ赤にしながらそんな事を言うではないか。
え? デレだすの早くないか? せめてもうちょっとこう、ツンツンしてもらわないと、そのツンを利用して婚約破棄に持っていくという最後の望みも消えかけている気がするんだけど?
完全に皇帝陛下に嵌められた。
そしてこのクロード姫がまさかここまで惚れやすい体質であるとは思いもよらなかったのだが、そうでなければブリジットにスフィアと失恋した間際に他人の事を好きになるわけがない。
その点でもある意味で主人公は恋愛体質でなければゲーム自体淡白な物語になってしまうのだから、そう考えればクロード姫がチョロインであるのも理にかなっているのかもしれない。
そしてこの性質を利用すればクロード姫は他のイケメンに言い寄られた場合コロッと惚れてくれる可能性はあるのだがそんなゲームのメインキャラクターになり得るイケメン、それも最低でも貴族であるイケメンが今のクロード姫にアタックするなど考えられないのでその線も可能性は低いと見て考えて良いだろう。
そもそも貴族という時点でクロード姫が元が男性であり、さらにここ最近のクロード姫の失態の数々を間違いなく知っているであろう。
そんなクロード姫とわざわざ婚約する貴族の男性がいれば見てみたいねっ!!
「お、おい。 どうしたんだよ、急に頭を抱え始めて。 辛いなら俺が付き添うか? 何なら寝るまでベッドの横でカイザルの頭を撫でてあげてもいいぞ?」
そして俺はどう足掻いてもクロード姫と結婚するしかないという事を悟って頭を抱えると、クロード姫がそんな俺を心配して俺の背中をさすりながら優しい言葉をかけてくれるではないか。