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●悪役キャラに転生したみたいなので闇の秘密結社を作ったら何故かハーレムになっていた件  作者: Crosis
第三章

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なるほど、そういう事か

 俺の目の前にいる男性はこの帝国の皇帝なのだが、ぶん殴ってやろうか? と思わず思ってしまう。


 しかしながらここは我慢だ。 こんな奴を殴った所で俺に不利になるだけだ。


 普通に、冷静に、今の現状を一つ一つ確認していけば良いだけである。


 そもそもクロード姫は前回の失態で皇位継承権は剥奪されたはずで、しかも今は性別上は女性である上にうなじ部分には隷属印まで付与されてしまっている。


 更にクロード姫には皇位継承権をもつ兄上がおられる。


 その兄上がいるにも関わらず今のクロード姫が皇位を引き継ぐ事なんてあり得ない。


 ならば皇帝陛下が先ほどから隠居生活を一日でも早くしたいというのが伝わってくる言動をするのは何故なのか?


 俺とクロード姫が例え婚姻関係になったとしても先程考察した通りクロード姫が皇帝に成る事はまずあり得ない為、俺とクロード姫が結婚したとしても皇帝陛下が隠居できるというわけではない。


 であれば何故皇帝陛下は俺とクロード姫が婚姻関係になれば隠居できると思っているのか。


「あぁ、なるほど」

「む、どうしたのだ? カイザルよ」


 なるほど、そういう事か。


「ついに皇帝陛下の長男であり皇位継承権を持っているダグラス殿下がついにご結婚されるのですねっ!!」

「うん? はて、そん話はまだ来とらんがの?」

「みなまで言わずとも分かっております。 なんだかんだ言ってもまだ学生である僕たちにそのような重要な事を教えるわけにもいきませんものねっ!」

「いや、だからの──」

「しかし、こうなって来ると中途半端な立ち位置になってしまっている上に目の上のたんこぶと成りかけているクロード姫を俺と婚約ないし結婚させて嫁がせる事で公爵家の人間にする。 そうする事でダグラス殿下は今一番の問題であったクロード姫の扱いに悩む必要も無く政に携われると、こういう事ですね? いくらクロード姫のお胸様が大きく、見た目だけは美しいとは言っても元は男性である以上他国へ外交の一手として嫁がせようにも逆に『ばかにしているのか』と思われかねない為その手段も使えない、再利用もできないし置いておくだけで金食い虫だけでなく、なまじ皇帝陛下の血を継いでいる為新たな反乱分子の旗印ともなりかねない猛毒にもなり得る。 正に百害あって一利なし。 そんな者を抱えたくはないし、抱えた状態で兄であるダグラスへ皇位を引き継ぎたくない」


 そして俺はここで一拍置いて決め顔を作る。


「そういう事ですねっ! 皇帝陛下!!」


 決まった。


 間違いなく今の俺は推理漫画の主人公ばりに決まっているだろう。





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