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もうめちゃくちゃである

「…………とにかく、俺達はここで終わりって事だろ? お前たちに目を付けられた者達はその殆どが消息不明になっている。 生きて帰って来れたとしても身体の手足のどれかが切り落とされた上で回復魔術をかけられているのだが、それらは末端の者達ばかり。 そこから考えるに上層部でも歯が立たないほどの化け物で作られた組織であり、また敢えて末端を生かす事により俺達に恐怖心を植え付け──」

「ちょっとっ! うるさいから黙っててっ!! 今だいじな話をしているのが分からないのかしらっ!? だから人攫いとかいうリスクしかない事で生計を立てているのよっ!! 分かったら邪魔しないでくれるっ!? それで黒の仮面の君様っ!! 先ほどから黙っているのだけれども、私との関係は遊びだったんですかっ!? 酷いっ!!」

「ぐ、ぬっ……い、言わせておけばっ!!」

「あ、知能が無いから言葉で言い返せないんですね。 だから暴力という短絡的な考えになるのよっ!!」

「黙れっ!! こっちの方が大事な話をしているというのが分からないお前の方がバカだろうが、どう見てもっ!! 自分の事も良いが周りを見てから少しは発言したらどうだっ!?」

「誘拐しようとした賊が『周りを見て』なんてよく言えましたねっ!! そういうあなた達は何で人攫いなんかやっているのかしらっ!? 周りを見て判断したら人攫いなんかやってはいけない事だと理解できるはずなんですけどっ!? あぁ、それすらも客観的に見れない程バカなんですねっ!!」


 そしてスフィアに言葉を遮られた賊のリーダーはめげずに続きを言おうとする。

 

 あたりまえだ。 これが彼にとって正真正銘最後の言葉となるのかもしれないのだ。


 しかしながらスフィアはそんな賊のリーダーへ食って掛かる勢いで噛みつき、口論をし始めるではないか。


 もうめちゃくちゃである。


 恐らくこの光景を第三者が見ても助けに来た俺達と、誘拐しようとした賊に誘拐されかけた被害者女性とは思わないだろう。 それほどまでにカオスな空間となり果てていた。


 そもそも何で俺がスフィアと付き合っており、俺の周囲にいる奴隷達を侍らせている事になっているのだろうか? そして何故俺はスフィアから浮気がばれた彼氏の如く叱責されなければならないのだろうか?


 なんだろう……もう俺帰っても良いだろうか?


「いや、まぁ、俺は君を助けるし賊は逃がす必要はないけど、君は俺の彼女じゃないよね? なんで助けに来た俺が彼女でもない女性にここまで言われなければならないのか分からないのだが?」


 

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