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浮気ですかっ!?

 そして俺たちは正規の門ではなく、未開拓の森林内を真っ直ぐに、そして小走りほどのスピードで突っ切ろうとしている奴らの元へと向かうのだが、なんか後ろの方で『上手く行きましたね』『ええ、これで帝国はカイザル様の……』『現皇帝陛下と殿下には既に話は……』という会話が聞こえてくるのだが、怖くてなんの話をしているのか俺にはブリジットとカレンドールへ確認する勇気がない。


 頭の中では早く確認しろと警告がうるさく鳴り響くのだが、どうせまた新しい奴隷の話であろう。

 

 皇族まで奴隷にしてしまった今となっては今更一人増えようが、貴族を奴隷にしようが驚かない。


 とりあえず今俺がやるべき事はスフィアを助けた後クロード姫の奴隷契約を本人の了承を得て、俺たちの事は他言無用の契約を結んだ上で解消させる事である。


 新しい奴隷が増える増えないなどという話はこの際後回しで良いだろう。


「とりあえず、クロード姫はこれに着替えて、この黒い仮面をつけてください」

「クロード姫が私達ブラックローズの一員とスフィアさんにバレでもしたら後々物凄い面倒事になってしまいかねませんからね」

「お、おう……ありがとう。 なんかこう、男心をくすぐるというかワクワクするなっ!!」

「え? 今は女性ですよね? はいかいいえで答えてください」

「ついているものはついていないので男心というのは嘘ですよね。 なんだろう、嘘つくのやめてもらっていいですか?」


 なんだろう? クロード姫がかわいそうに思えてきたのだがここで手を貸してしまうとそれはそれで面倒臭い事になりそうなので、今まで俺に散々迷惑をかけてきた報いだと思うことにしてここはグッと我慢する。


 クロード姫よ。 その涙の数だけ強くなるのだぞ。


 そんなこんなで目的地へぶっ飛ばして向かう事五分。


 やはりというかなんというか、スフィアとスフィアを拐った三人組の男性がそこにいた。


「畜生……完璧だと思ったんだがこうも早く嗅ぎつけられるとは、ついてねぇぜ」


 その賊である三人組の中でリーダーであろう男性は俺たちを見るなり全てを諦めたような表情になるとへたり込んでしまうではないか。


 正直かなり抵抗されるものだと思っていた俺は肩透かしを喰らってしまう。


「知っているぜお前達の事。 この業界じゃぁかなり有名だからよ。 人拐いを生業にしている賊や地下組織を軒並み潰し回っている闇の組織があるってな。 実際にこの目で見た事は今までなかったが一目見て分かったよ。 お前た──」

「え? ちょっとっ!? どういう事ですかっ!! 黒の仮面の君様っ!! 誰ですかっ!? 黒の仮面の君様の側にいる三人もの卑しい女性はっ!? 浮気ですかっ!? 私というものがいながらっ!! どうなんですかっ!?」

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