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え、キモ……ッ

「何だよ大きな声で。 一回で聞こえてるっての」

「す、すまんッ!! でもお前にしかこんな事頼めないんだっ!! この俺を簡単にあしらう事ができたお前にしかっ!!」

「分かった、分かったから。 話だけは効いてやるから一旦落ち着け。 深呼吸深呼吸」


 そしてクロード姫は軽くテンパっているのが見て分かるのだが勢いそのままに俺へしがみつき、短くなった身長から上目遣いで必死に何かを訴えようとしてくるではないか。


 しかもその間クロード姫の爆乳が俺の胸板に押し付けられているわけで、この状況は非常によろしくない。


 なので一旦クロード姫には落ち着くようにと声をかけて深呼吸をさせる。


 しかしながら俺の理性は、日々の奴隷達による性的なアピールと比べれば可愛いものなのでよろしくない事には変わりないのだがまだ耐えれるレベルであり、一番の問題は今にもクロード姫へと攻撃魔術をぶっ放してしまいそうな表情をしているブリジットとカレンドールである。


 これ以上彼女たちを刺激したらクロード姫の命に関わりそうなので一秒でも早く落ち着いてほしい。


 彼女達が同級生を殺す前に。


「す、すまん……」

「落ち着いたか? それで俺に頼みたい事って何なんだよ?」

「お、俺の話を聞いてくれるのかっ!? あんなに嫌な事をお前にしてきたのにっ!? ありがとうっ!! カイザル、お前は良いやつだなっ!!」

「落ち着けっ!! だから落ち着けってっ!!」

「はいはい、カイザル様から離れてくださいっ!!」

「早く離れないと殴るわよ? ほら、さっさと離れなさいっ!!」


 そしてクロード殿下は俺が話を聞いてくれる事に感動したのか感極まってまた俺を抱きしめ、涙を流しながら少し赤らんだその泣き顔で上目遣いに見つめてくる。


 そんなクロード殿下は再度俺に落ち着くように言われた後、今度はブリジットとカレンドールにより半ば強引に引き剥がされる。


 というか、俺に対して今まで行って来た事の数々が俺の嫌がる事(・・・・・・)だと分かっていてやっていたのか。 なんだか一回殴っても良いような気がしてきたがそこはグッと堪える。


「す、すまない……だ、だが今は一刻を争う時なんだっ!!」

「いや、それはお前の慌てぶりから察することができるから、とりあえず何が起きたのか、俺に何をして欲しいのか教えてほしいんだが?」

「あ、ああ……そうだなっ!! 実は先ほどまでスフィアの後をつけていたんだが──」

「え、キモ……ッ」

「ありえないわね……っ」

「お前達の気持ちは分かるが少し黙ってあげようか。 今にも泣きそうな顔で、実際に泣くのを我慢しているのかクロード姫が喋れなくなっているじゃないか」

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