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薄々感じている感じている

「そんな必要もないだろうっ!! こうして実際に男性から女性へと性別を変えられたのだから女性から男性に変える事もできるだろうっ!! できたという事はその逆もできるという事だっ!!」

「クロード殿下……あ、すみません。 クロード姫でしたね。 知ってますか? 溢した水は元には戻りませんし、吐いた唾は飲み込めませんし、割れたグラスは元通りにはなりませんし、死んだ人間は生き返りませんよ? AからBへ変化させる事はできてもBからAに戻すことはできない事はこの世界には思っている以上に多いと思いますが?」

「そ、そんな事言わなくても良いだろっ!! 絶対に元の姿に戻ってやるからなっ!!」


 そしてクロード姫はそんな事を叫びながら教室から出ていく。 朝の授業はあの怖い剣術の先生なのだけれでも大丈夫なのだろうか?


 あの様子だと私に言われた事を薄々感じて来ているようなので、かなり効いたようである。


 そのためショックでもしかしたら次の授業の事などクロード姫の頭から抜け落ちてしまっているのかもしれない。


 しかしながらそれは私の知った事ではないし、これでやっと静かになって来た所なので私からすれば何の問題も無いどころかむしろ快適な空間を手に入れる事ができたのでこのまま帰ってこなくても良いくらいである。


 そして朝の授業ではクロード姫は当然剣術の先生にこっぴどく怒られているのであった。





「へへへへっ、や、やりましたねリーダーっ!!」

「あぁ、どうせ俺たちは王国も帝国も居られなくなるんだ。 仲間達も次々捕まって行っている上にどうやら王国でも上が粛清されてしまったようだしな。 王国でも帝国でもない別の国へ逃げる前に最後にもう一度攫って奴隷商に売れば新天地での旅の資金になるだろう。 これは賭けだったが、何とか成功したみたいで本当に良かったぜ」


 今日も今日とてクロード姫のウザ絡みを華麗に躱しながら一日を過ごして下校のために家路につこうと迎えの馬車に乗り込もうとした瞬間、私の記憶は無くなっていた。


 そして気がついたら、どうやら私は今人攫いにあってしまったようである。


 学園まで馬車で迎えに来られたら攫われる確率も落ち、それは黒の仮面の君に会える確率も下がるという事なので両親には『もう子供ではないので過保護すぎますっ!!』と抗議をしていたのだが、どうやらその心配は無かったようである。


 考えてみれば私の黒の仮面の君は運命で繋がっているので馬車で毎日迎えに来るという小細工をしても攫われる時は攫われるというのは、今なら分かると同時に私と黒の仮面の君との運命力の強さを再確認する。

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