私を貴方様の奴隷に堕とてくれっ
そしてラフィーの足音が聞こえなくなったところで俺はラフィーに気づかれないように防音の魔術を周辺に行使し、その事を伝えた上で目の前のラフィーに似ている女性へと話しかける。
「それで、君たちは本当に俺の奴隷に成りたいのか? 別に無理矢理奴隷にするというのは俺も避けたいと思っているので遠慮しないで申し出てほしい。 申し出たとしても咎めたりはしないし、ラフィーからは何もさせないと誓おう。 不安ならば俺が何もしないようにという命令を目の前でラフィーにしても良いと思っている。 だから君たちの本心を聞かせてくれないか?」
「お願だっ!! 私を貴方様の奴隷に堕としてくれっ!!」
そしてラフィーに似た女性は俺の前で土下座しながら奴隷にして欲しいと懇願してくるではないか。
俺の予想ではそのほとんどが奴隷になるのを嫌がるものだと思っていたのでコレには俺も予想外である。
「分かった、分かったから顔を上げてくれっ!!」
そして俺は、いまだに土下座しながら俺へ『奴隷にさせてください』と懇願してくるので流石に奴隷の格好だけでもやめさせようと顔を上げるように言う。
「そ、それは本当かっ!? この私を奴隷にしてくれるのかっ!?」
土下座される経験もない俺にとって、別に俺自身には何もされていないにも関わらず土下座をされるというのは想像以上に居心地が悪かった為、その土下座をやめさせる事はできたのだが、それとは別の問題がやって来たようである。
そもそもなんでコイツは俺の奴隷になれると思い、目を輝かせているのだろうか?
普通は逆ではないのか?
そもそもここにいる人たちはラフィーに脅されてここにいるのではないのか? そして俺の奴隷になれとラフィーに命令されているのではないのか?
そうでなければどうしてここにいる人達は自ら俺の奴隷になりたいなどと言うのか全くもって理解はできない。
それだけではなく、ラフィーに似ている女性だけではなくそのたの者たちも俺の奴隷になりたいのだと言うではないか。
「分かった。 そこまで言われれば断るのも失礼だろう。 君たちを俺の奴隷にする事を許可しよう。 しかし俺なんかの奴隷になりたくないという人も中にはいるだろうから、その人はちゃんと言って欲しい。 それじゃぁ、奴隷にして行くから俺の前で一列に並んでくれ」
そう俺が言った瞬間、今まで張り詰めていた空気が一気に和らぎ、皆嬉し涙を浮かべながら抱き合っているではないか。
そして俺は『どうしてこうなった?』と頭の中で思いながら数百人もの人数を一気に奴隷へと契約しつつ、ラフィーに潰された箇所を治していくのであった。




