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潰します

「そして後はこの国王をカイザル様に奴隷契約をすれば万事解決でございますっ!!」


 一体何が万事解決になるのか、全くもって意味がわからない。


 そしてどんなに俺の記憶を遡っても『王国を傀儡国家にしてこい』などという命令をした覚えはない上に、似たような命令をしていないどころかそもそも奴隷達には命令すらしていないのである。


 それがどうして王国を傀儡国家にする話になっているのか、俺の目の前に突き出される国王を見て俺は思う。


 そしてこの|歴史的瞬間《俺が隣国の国王を奴隷に堕とす瞬間》を見逃すまいと、現在俺がいる実家の庭には奴隷全員が集まっている。


 これでは『いや、隣国の国王を奴隷に堕とすのは流石にダメだろう』と簡単に断る事ができる雰囲気ではないではないか。


 もしかしてこれは、奴隷達に嵌められたのではなかろうか? と思ってしまう。


 俺、何か奴隷達を怒らせてしまうような事をしてしまったのだろうか?


「お、お願いしますっ! 我を早く奴隷にしてくださいっ! お願いしますっ! もう、あの日々に戻るのは嫌だっ!!」


 そんな事を思いながら悩んでいると、俺の足元で土下座のような体位で地面に這いつくばりながら俺へ『奴隷にして欲しい』と懇願してくるではないか。


 その姿からは一国の王としての威厳も何も感じられず、そこら辺にいそうな悲壮感漂う小太りのおじさんという感じである。


 そんな見ず知らずの知らない小太りのおじさんから『奴隷にしてほしい』と懇願される俺の気持ちを、奴隷達は是非考えて欲しいものである。


「因みに俺がこの国王を奴隷にしなかった場合はどうなるんだ?」

「潰します」


 そう、間髪入れず答える自称筆頭奴隷のサラが応えてくる。


 え? 何それ。 怖いんですけど。 潰すってやっぱり、お命頂戴しますって事なのだろう。


 流石に自分の奴隷が暴走したせいでもあるので流石にそれは止めなければと口を開く


「因みに潰すというのは──」

「もちろんその股間を、容赦なく潰します。 簡単には殺しません。 その代わり男性の尊厳を潰します」


 そして俺は顔を真っ青にして『そんな話は聞いていないっ! 潰されるのは嫌だっ!』という表情で俺を見つめてくる隣国の国王を見て、同じ男性として隣国の国王を奴隷に堕とす決心をするのであった。





 今日は久しぶりの休日である。


 ここ最近は違法奴隷の関係者と、横につながる裏組織を潰すので忙しくてまともな休みが無かったので代休込みで長期休暇を頂いている。


 本当はご主人様であるカイザル様の為に少しでも働きたいのだが、この長期休暇はカイザル様からの命令であると言われれば従わざるを得ない。


 という事で奴隷に落ちて初めて生まれ故郷へ帰る事にした。



 

 

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[一言] 生まれ故郷へ帰る事にした。 訳 生まれ故郷を献上する為に出張
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