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きっと気のせいに違いない


 そして私はカイザル様と婚約する事に決めた。


 私とこの妄想の事を馬鹿にせずちゃんと論理立てて真正面から受け止めてくれるという時点で私の中では今までのカイザル様の悪評などもはやどうでもいい些末な問題にしか思わないほどである。


「カ、カレンドール……私っ! カイザル様と婚約しますっ!!





「それで、えっと、モーリーが俺の婚約者として名乗りを挙げた、と」

「はいそうですカイザル様っ!!」

「それで、婚約が無理ならば妾でもいいと……」

「はいそうですカイザル様っ!! カイザル様のお側にいられるのでしたら奴隷でも何でもいいですっ!!」


 そう俺の問いにキラキラとした表情で応えるモーリーを見て俺は頭を抱えたくなるのを何とか抑えながらカレンドールの方へ目線を向けると『すごい逸材でしょうっ!!』と言いたげな表情を返してくる。


 確かにすごい逸材ではあるのだが、それも時代を変革しかねない知識と知能を持っている事は間違いないのだが、だからこそそれ程の逸材を俺の身内に入れても良いのだろうかと言う罪悪感もある。


 せっかくこの世界の科学技術が発展できる逸材を俺の身内に引き込む事によって、この世界の科学の発展が遅れてでもしたらと思うとこの世界の住人に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。

 

 そもそも俺はこの世界では異端である事は間違いないのだし、もし俺がこの世界に来なければモーリーは間違いなくこの世界の歴史を塗り替えていたはずである。


「大丈夫です。 カイザル様はもう既にこの世界の歴史を塗り替えてます。 いえ、これからはカイザル様こそがこの世界の歴史そのものとなる事間違い無いでしょうっ!!」


 その事を言うと後ろに控えていたブリジットが『ふんすっ』と鼻息荒く声高々にそう言ってくれるのは有難いのだが、周りの奴隷たちやカレンドール、そしてモーリーまで深く頷くのはやめてもらいたい。


「ちなみに俺がモーリーからの申し出を断るとどうなるんだ?」

「死にます」


 あれ? デジャブかな?


 どうしてこう、俺の奴隷たちはゼロか百しかないのだろうか。


 その間を取ると言う選択肢もぜひ入れてほしい。


 何で死ぬという選択肢が普通に出て来るのか俺には理解できないのだが、というかブリジットもカレンドールも出会った当初と比べて性格が変わりすぎのような気がするのだが気のせいだろうか?


 それこそやばい宗教に入って洗脳されたような……いや、これ以上考えるのはやめよう。


 きっと気のせいに違いない。


 そして、新たにカイザルの婚約者にモーリーが加わるのだが、それによってブラックローズの戦力が跳ね上がるという事までは想像していなかった事を俺は後に後悔するのであった。


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