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言わせないわよっ!!

 あぁ、本当にこのエミリーは要らない事をしてくれましたね。


 ありがた迷惑どころの話ではないですよ。


 これでは私がカレンドールさんに話を振らないといけない雰囲気ではないですか。


 だからエミリーを一人で行かせたくなかったんですよ……。


 そう心の中で愚痴ったところでこの状況が好転する訳でもなく、カレンドールさんから感じる無言の圧が私の胃をキリキリと締め上げていく。


 そして当のエミリーは『わたくし、いい仕事をしましたわっ!』というような表情でドリル(髪型)をギュルンギュルン回してるし、その光景がまた腹が立つ。


 誰のせいで私が今こんな思いをしているというのか。 そのドリルで大根をおろしてやろうか。


 そうは言ってもなんだかんだでこの機会を逃したら一生私はカレンドールさんに何でカイザルと婚約をしたのかという事を聞けないままな気がするのも確かである。


 ええい、女は度胸よっ!! 成るように成るだっ!


「あのっ!!」


 そして私は勢い余って最初の第一声の声量をミスってしまった。


 恥ずかしすぎる。 できる事ならば今すぐこの場から去りたいのだが、もうここまで恥をかいたのならばこれ以上恥をかく事もないだろう。


「…………あの、カレンドールさんからカイザルに婚約を申し込んだと聞いたのですが、何でカレンドールさんはあのカイザルに婚約を結ぼうと思ったのですか? 普通はあのカイザルから婚約を申し込まれたとしてもその提案を親にされた時点で即断るレベルなのだと思うんですけど。 そんな相手にカレンドールさんのような家柄も良くて魔術や武術もトップレベルであり容姿も端麗な人が何でわざわざカイザルを選ぶのかと疑問でして……」

「あら、そんな事ですか」


 そして私は、カレンドールさんがカイザルと婚約してから今の今までずっと気になっていた事をドストレートに聞いてみたのだが、そのカレンドールさんは拍子抜けと言ったような感じで私の勇気を振り絞って言った質問を『そんな事』と返すではないか。


「その前に、貴女と私の関係は家格など関係なく、そして敬語はやめて普段通りに話しましょうといつも言っていると思うのだけれども……まあいいわ。 それが貴女の普段のしゃべり方である可能性もあるもの」

「モーリーは普段もごもごもごっ!!」


 言わせないわよっ!!


「…………まあいいわ。 その件はおいおい話すとして、私が何故カイザル様へ婚約を申し込んだのかという話で良かったわね?」

「は、はいっ! そうですっ!」

「そうね……今まで貴女が頭の中で思い浮かべている、大人に言うと馬鹿にされるような内容。 そのどれか一つでも良いから図面に起こしてカイザル様へ渡してみたら分かるわよ。 私だけではなく、貴女の待ち望んでいた殿方であるという事が」

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