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最低限の修繕はしておくので許してほしい

 何故だろう……一周回ってブリジットで癒えてしまうのは。


「ご主人様、お疲れのようでしたら私の身体にもたれてくれても良いですよ? むしろもたれてくれると嬉しいといいますか」


 後半少し聞こえづらくて何を言っているのか分からないのだが、ケンタウロス娘のアンナがその背丈の高い身体を背もたれにして休むように促してくる。


 さすがに奴隷にもたれるのはどうなのだろうか? 虐待になりはしないのだろうか? とは考えてしまうのだがアンナ本人の方がむしろ俺にもたれて欲しそうな感じなのでこの場合は大丈夫? なのか?


 正直色々あり過ぎて精神的にも疲れたのでもたれることが出来るのならばありがたい。


 あと、何故この場所に奴隷がいるのかと聞くのはもはや野暮だろう事は流石の俺でも分かる。


 むしろ逆に毎日ローテーションを組んでまで俺の護衛を陰でしてくれている事に対して後日みんなに感謝の言葉と、何かしら実用的なアイテムをプレゼントとして贈るべきだろうか?


 何故かここ最近奴隷達が首輪を欲しがっているので、できれば別の健全な物を欲しがってもらいたいという俺の打算も勿論ある訳で、それに俺としては彼女達に首輪ではない何かを贈ってやりたいと思うわけで。


「俺としては有難い申し出なのだが、アンナはそれでも良いのか?」

「はい勿論ですっ!!」


 そしてアンナは元気よく返事をすると、身体を地面に倒して即席の背もたれを作って自分のお腹部分をポフポフと叩いてくる。


「こういう時はケンタウロスの身体は有利よね……良いな」

「そうですわねぇ。 馬の身体だからこそできるアプローチですものねぇ。 羨ましいですわ」


 そんな俺とアンナのやりとりを見てヒューマンのジェシカとエルフのメアリーが羨ましそうにこちらを見てくるではないか。


 確かに、側からすれば俺がアンナを独り占めしているように見えるのかもしれない。


 当初こそは始めは人型では無い身体をしたアンナが奴隷生活に馴染めるのか少しだけ心配していたのは杞憂であったようで、なんだかんだでアンナみんなには慕われているようで一安心である。


「アンナさえ良ければお前達も俺と一緒にアンナにもたれてこの戯れ合いを観戦するか?」

「私は全然構いませんよー。 一人も三人もあまり変わらないですし」

「なんだかご主人様は勘違いしているようですけど、これはこれでご主人様の隣に座れると思えば役得では?」

「では、わたくしはご主人様の右隣に座らしていただきますねっ」


 そして俺は奴隷達と一緒に学園のグラウンドがみるみる原型が無くなっていく様を眺める。


 このグラウンドをぶっ壊した事による修繕費的な物はきっと誰かが出してくれるだろう。


 とりあえずは元通りとはいかないのだが土魔術で最低限の修繕はしておくので許してほしいと、そう思うのであった。

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