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悔しくてたまらないのだろう

『何よっ! 『火球』が使えなくなったくらいで偉そうにしないでよねっ!! 『火炎の息吹』っ!!』


 そしてファルールは『火球』よりも更に威力が高い『火炎の息吹』を俺に行使してくる。


 因みに『火炎の息吹』は基本的にドラゴン系統専用の魔術であり、段位で比べるならば『火球』が段位一であり『火炎の息吹』の段位が七程とされている。


 そしてこの世界の人間では宮廷魔術師程度であったとしても段位七以上を行使できた人物は英雄譚で語り継がれている勇者であり初代皇帝とされる一行メンバーの魔術師だけである。


 その物語が文献として正しければという話なのだが、物語、特に国を作った英雄譚は決まって盛り盛りのてんこ盛りに盛られているものなのでうそであると俺は思っている。


 なので、人間は基本的には段位七が限界であるという事なのだろう。 基本的には。


 そして何故か俺の奴隷たちが次々と段位八以上の魔術を教えてくださいとやって来ては容易に習得していっているのを見ると、人間辞めてんなーと、レベルの時点でぶっ壊れているのは知っているので諦めというかですよねという心境で見守っている。


 もう、日に日に他人様に言えないような事が増え続けている異常な日々が日常となってしまっているので驚きもしない俺がいるわけで。


 とりあえず、俺の奴隷のうちの一人で国を落とせるのではと、ふとした時などに思ってしまうのだがきっと気のせいだろう。


 そんな事を思いながら俺は指を鳴らしてファルールが放った『火炎の息吹』を『解術』で打ち消す。


 それと同時にファルールが信じられないと言いたそうな表情をする。


 きっと指を鳴らして魔術を打ち消すという一連の流れが格好良すぎて俺に見惚れてしまったのだろう。


 その気持ちは分かる。 指を鳴らして魔術を行使するのは格好良いよねっ!!


『何で私の放った『火炎の息吹』が消されるのよっ!? おかしいでしょうっ!?』


 どうやら違ったらしい。 まぁ、知ってたけど。


「いや、説明しただろう? 『水魔術段位二:解術』の効果は魔術を無効化する効果だと説明したのに何で驚いているんだ?」

『イ、インチキよそんなのっ!! たかが段位二の水魔術如きで私の火炎の息吹を無効化できるのよっ!? そんなのおかしいに決まっているわっ!! 一体どんなイカサマをしたのよっ!! 教えなさいよっ!!』


 よほど『火炎の息吹』は彼女にとっては自信があった攻撃だったのだろう。 それがただの段位二の水魔術で消されたのが悔しくてたまらないのだろう。


 後半なんか涙声になってたし。

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