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契約

『よし分かった……。 お父さんがいくら言っても信じて貰えない事も理解できるし、お父さんもご主人様と出会った当初は似たようなものであったからな。 とりあえず、ルールールーはご主人様であるカイザル様と契約してみればいい。 それも、格が上の方が主人となる契約方法でな。 ご主人様にはご面倒をおかけしてしまって申し訳ない』

「別に構わないよ。 それで丸く治るならね」

『ありがとうございます、ご主人様』


 そして、いくら説明いても信じて貰えない妻や娘に業を煮やしたのか最早最終手段とも取れる方法を自分の妻と俺に提示するではないか。


 それで良いのか? とは思うものの鱗が剥げ落ちる程のストレスは俺が想像する以上に、それこそ自分の妻を差し出してでも楽になりたいと思える程には追い詰められているのだろう。


 ファフニールには後で俺ができる限り労ってやろうと強く思う。


『ちょっとアナタっ!? 流石に私の事を馬鹿にしすぎではなくて? こんな人間一人で何ができると言うのです。 私と対等な契約をしたいのでしたらこの国の魔術師全員連れて来ても足りないのでは?』

『そうよお父さんっ!! いくら何でもお母さんを馬鹿にしすぎよっ!! こんな劣等種に、群れなければ何も出来ないような種族相手に何ができると言うのよっ!? どうせ対等な契約どころか奴隷とその飼い主レベルの契約になるに決まってるじゃないっ!! あ、そうかっ!! お父さんは初めからそれが狙いだったのねっ!! それならそうと初めから言ってよねっ!! 私もお母様も勘違いをしてしまったじゃないっ!!』

『あら、さすが私の娘ね。 私に似て聡明じゃないの。 それにアナタもアナタですよ。 それならそうと言ってくださればこんな言い合いにはならなかったですのに。 まったく、後で説教ですからねっ!!』

『…………分かったから、早くお母さんはカイザル様と契約してみなさい』

『はいはい、こんな茶番は早く終わらして当初の目的である私たちでも装備できる装備品の数々を貰わないとね』


 そしてファフニールの妻であるルールールーという白いドラゴンは俺と契約をし始める。


『まったく、人間一人のために、面倒……あら? あらあら? あらあらあらっ!? そ、そんなっ!?』

『ど、どうしたのお母様っ!? き、貴様っ!? お母様に何をしたっ!?』


 母親であるルールールーの狼狽ように俺が何かしたと思った娘であるファニールが俺に食ってかかろうとするのだがルールールーがそれを阻止する。


『や、やめなさいっ! ファルールっ!! あ、あぁ、どうか、どうか今まで行ってきた私たちの無礼な行為の数々をどうかお許しくださいっ!!』


 そして、契約が完了して先ほどファフニールがそうしていたようにルールールーは五体投地をして今までの無礼な態度をとってしまった事に対して許しを乞い始めるではないか。


「ふん、契約した時点でご主人様との格の違いに気付くとは、黒蜥蜴よりも分かっていますねっ!!」


 そしてこの光景にブリジットが『当然です!!』と言わんばかりな態度で腕組みして喋り始めるではないか。


 いや、なんでブリジットがそんなに偉そうなんですかね?

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