覚悟しておけ
それは即ち、彼女達の不興を買って忠誠心が反転した場合それが殺意に変わる可能性だって当然あるだろう。
いくら彼女達が自らの意思で奴隷になったのだとしてもそれまでの行動まで消えるわけではない。
奴隷を解消してはいお終いではなく、辱めを受けたと殺しに来るかも知れないのだ。
今現在の奴隷達に関しては俺が強制的に奴隷へ堕とした者達もいるため、そうなった場合は尚状況は悪くなると考えて良いだろう。
クロード殿下をぶちのめした場合のメリットは、彼女達の忠誠心を落とさないのと、クロード殿下から絡まれることが無くなる可能性があり、逆にわざと負けた場合の最悪を仮定したデメリットは彼女達から命を狙われかねないのと、その上で尚クロード殿下から相変わらず絡まれるという事態になりかねないのである。
特にクロード殿下は今までの行動から見て、まず初めに答えを出して、考察し、無理やりその答えにつなげて行くような思考回路の持ち主であるため答えである『カイザルは悪』というのが変わらない限り奴の思考も変わらないだろう。
そして自他共認めるクズだった過去をもつ俺が例え『改心しました。 これからは真っ当に暮らしていきます』と言ったところで誰が信用するというのか。
俺でも流石に信用しないのに、他人が信用するわけがない。
「はぁ、どうしてこうなった……」
前世の記憶を思い出したこと、それ自体は別に悪いわけではない、むしろこれから起きるであろう破滅を未然に回避することができると考えればむしろかなり有難い話ではあるのだが、こと面倒臭さに関してだけ見れば跳ね上がっている気がする。
俺が何をしたというのか。
現段階ではちょっとやり過ぎたガキ大将レベルの筈ではないかの？
みんな無視して俺は一人で悠々自適で卒業後は潤沢な資金でスローライフという当初の目標は砂上の城の如く崩れ去ってしまった。
それもこれも全てはクロード殿下のせいではないのか？
クロード殿下があの日決闘を俺に申し込みさえしなければ、ブリジットにボコられる事もなく、周囲から懐疑的な目を向けられる事もなく、もしかしたら拉致られる事もなかったのではないか？
そう思うと腹が立ってくる。
あまりにも自分勝手な思考なのだが向こうが俺に何もかもをなすりつけてくるのだから、俺も今の現状の原因の何もかもをクロード殿下になすりつけても文句を言われる筋合いはない。
喧嘩は同じ土俵のものでしか起こり得ないと言うのであれば、この時ばかりはクロード殿下のいる土俵まで俺から落ちてやる。 覚悟しておけ。
考えれば考えるほど今まで我慢してきた怒りが湧き出てくるので、どうせ皇族としても見捨てられた今ならぶん殴っても大した面倒事にはならないだろう。
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もうすぐでクロード殿下から男の尊厳を奪います( ^ω^ )
