表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

160/265

見苦しいですわよ

 もう授業が無いならこのまま学園にいる理由も無いのでサクッとクロード殿下を倒して帰ってしまおうかとも思い始めたその時、なぜかエミリーが俺の前までやってくるではないか。


 そもそも俺はエミリーに失礼な態度をした覚えがないし、エミリーとは今までろくに挨拶すら交わした記憶もないくらい同じクラスで接点がないのだ。


「…………」

「何ですかね? 俺はエミリーさんに迷惑をかけた覚えがないんですけど?」


 そしてエミリー・アンバーは俺の前までくると扇子を広げて口元を隠し、無言で睨みつけてくるではないか。


 意味がわからないし、マジで睨まれるような事をした覚えがないのが逆に怖いんだが?


「迷惑をかけた覚えがないですって? わたくしからすれば本日クヴィストさんがドラゴンが接近しているというのに逃げずに学園へ登校している事自体がものすごく迷惑なんですけれども?」


 もう意味が分からないし、学園へ来なければ来ないで後日クロード殿下からウザ絡みされそうなのに一体俺にどうしろと言いたのか? この目の前で睨みつけてくる金髪ツインドリルは。


 きっとドリルの動力源にエネルギーを持っていかれている為思考があまり回らないのだろう。


 ドリル回して思考は回さずってか。 うっさいわ。


「迷惑と言われましても、俺の何がエミリーさんの迷惑になっているのか全くもって理解できないのだが?」

「しらばっくれないで頂戴。 アナタの考える事などこのエミリー・アーバンからすれば手に取るように分かりましてよ。 どうせアナタもドラゴンの鱗が目当てなんでしょう?」

「いや、ちが──」

「だからこそ、こうしてカレンドールとブリジットを連れて来たのでしょう? バレバレですわ」

「そうじゃなくて、クロード殿下と──」

「あら、クロード殿下も登校しているだろうと言いたいのでしょうけれども、クロード殿下はアナタと違って武術も魔術も秀でておりますの。 その意味がお分かりかしら? 今ここでアナタだけが足手纏いという事ですわ」

「だから決闘──」

「言い訳はおよしなさいな。 見苦しいですわよ」


 コイツ、人の話を聞かねぇぇぇえっ!!!!!!


 あぁ、隣を見れば今にも掴みかかりそうなブリジットとカレンドールの姿と殺気を感じるんだけどっ!! お願いだからこれ以上二人を刺激しないように黙ってくれないかなっ!?


「ご主人様、この身の程知らずをぶん殴ってもよろしいでしょうか?」

「許可さえ頂ければどちらが立場が上か、一生逆らう気持ちが湧かないくらいに分からせてもいいのだけれども?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] お疲れさまでした カイザルの表向きの評価はは「屑で最弱な顔以外価値がない男」だからなぁ。 魔法オタクな家系のこの娘、恐らく情弱だから最近のカイザルを知らないんだろう
[良い点] 悪役令嬢ぽいですw しかし今更ですけど、普通ならクロード殿下は武術も魔術も秀でているように見えるのかぁ。というか、そう見える時点にエミリーさんは優秀と言えないでしょうw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ