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●悪役キャラに転生したみたいなので闇の秘密結社を作ったら何故かハーレムになっていた件  作者: Crosis
第二章

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物理で黙らすしかなさそうである

 そもそも何故モーデル家の長女であるブリジットが彼の奴隷になったのか、今までは不思議でしかなかったし、彼の噂から察するにそれもあるのかもとは思うものの、それでも娘を奴隷にされたモーデル家が一向に動く気配を見せないのも不気味であった。


 しかしながらカイザルの身辺を調査し始めてその理由が少しずつ分かり始めてきた。


 まずカイザルは表向きではクヴィスト家の家督を弟に奪われたように見えるのだが、その実裏でクヴィスト家を操っているのはカイザルである可能性が高いという事である。


 この情報を掴むことはかなり苦労したし、それでも憶測の域を出ないのだが、カイザルの二歳下の弟であるグエン、三歳下のマリーの同級生にいる分家や息のかかった者達の証言で恐らくそうでは無いかという仮説が出てきたのである。


 しかも父親であるグルド、第二夫人であるアイリスの事を告発し、その余波から弟と妹を庇ったのもカイザルである可能性が高いというではないか。


 これはお家簒奪に近いのだが、家督は持っていなかったにしろ実行したのは血縁者であり長男であるカイザルである上に、むしろあのまま両親の愚行を止める事ができなければクヴィスト家自体が無くなっていたであろう事から考えるに、むしろカイザルはクヴィスト家を守ったとも言える。


 そして親殺しという行いは弟や妹達にはさせないという家族思いな一面も見えてくる辺り、カイザルにとっても自身の両親を手に掛ける事はかなり辛かった事だろう。


 しかしながらカイザルの唯一の誤算は弟と妹がまだ若い故に脇が甘い事と、カイザルが思っている以上に弟と妹は兄であるカイザルの事を崇拝している事である


 それは疑って観察しなければわからないような小さな綻びではあったのだが、その脇の甘さがあったからこそ分かった不自然さでもあった。


 それを知って私はゾッとすると同時に、出遅れたとも思った。


 そう、恐らくモーデル家はそれらを全て、私たちが感づく前に気付いていたのであろう。


 だからこそ長女であるブリジットをカイザルの元へ送ったのである。


 この段階で私の憶測はほぼ間違いないものへとなったのだが、それでも大事な一人娘である。


 何かあってからでは手遅れである為、確実に安心できる相手であると確信できない限りは送り出すことはできない。


 それが親の務めでもあると私は思う。


 ちなみにこれに関しては夫の方が煩いので、最悪送り出す事にすらぐずり出しかねないのだが、その時は私が夫を物理で黙らすしかなさそうである。


 そして、そんな時事件が起きた。


 それも長男であるドミニクが関わっているというではないか。

 

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